【主張】日本の銀と銅 積極性と努力見習いたい
バンクーバー冬季五輪のスピードスケート男子500メートルで、長島圭一郎選手(27)が銀、加藤条治選手(25)が銅メダルに輝いた。日本勢の今大会初のメダルを一挙に2個もたらす快挙である。
長島、加藤両選手はいずれも冬季五輪初出場だった前回トリノ(2006年)の同種目でメダルも期待されたが、長島選手は13位、加藤選手は6位に終わった。ともに悔しさをバネに2度目の五輪挑戦で雪辱を果たした。不断の努力と重圧に負けない精神力をたたえたい。
冬季五輪での日本は、計10個のメダルを獲得した長野(1998年)以降は低迷が続いた。トリノでは最終盤でフィギュアスケート女子シングルの荒川静香選手が獲得した金メダル1個だった。
それだけに、今大会は2日目にフリースタイルスキー女子モーグルの上村愛子選手がメダルにあと一歩の4位と健闘し、4日目には銀、銅メダルと、序盤ではずみがついた。勢いが他の競技・種目の選手にも波及し、メダル獲得ラッシュとなってほしいものだ。
金融危機以来の日本の経済状況を考えると、メダルに浮かれている場合ではないとの意見もあろう。しかし、オリンピックは世代を超えて国民に夢と誇りを与える得難い体験だ。
バンクーバーでの日本選手団の一層の奮闘によって、東京などが挑戦を表明している夏季五輪の招致機運も盛り上がっていくと期待したい。
一方、今回の長島、加藤コンビの銀・銅メダルという結果は、選手の育成・強化という観点からも注目すべきである。
日本のスピードスケート男女が冬季五輪でサラエボ(84年)からソルトレークシティー(02年)まで6大会連続で計12個獲得してきたメダルはトリノで途絶えた。そのメダルを、とりわけ男子500メートルというお家芸種目で復活させた意義は大きい。
「転んでもいいと思って飛ばした」(長島選手)
「どんどん突っ込んでいくつもりだった」(加藤選手)
失意と不振を乗り越える積極性をどのようにして培ったのか。筋力強化やトレーニングの方法は。整氷作業のトラブルで1時間余り遅れた試合前にどんな調整をしたのか。両選手の経験を今後の五輪を目指す「チーム日本」の共有財産にもしてほしい。(産経ニュース2010.2.17)
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価値ある銀と銅。
練習してきてもダメな場合もある。
問題はガッツと集中力だろう。
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