なぜか不評「亀井法」中小企業82.3%申請せず
昨年12月に鳴り物入りでスタートした「中小企業金融円滑化法」。中小企業の借入金や、個人の住宅ローンの返済を猶予するものだが、事実上、「返済猶予の押し売り」(大手行幹部)を余儀なくされている金融機関はもちろん、救われるはずの中小企業の評価も高まっていない。亀井静香金融担当相が主導したことから「亀井法」とも呼ばれているが、関係者の間では「参院選をにらんだパフォーマンスの一環」(与党関係者)との見方が一般的だ。
中小企業の82.3%は金融円滑化法に基づく返済猶予を申請せず、今後検討もしない-。民間調査会社、帝国データバンクが実施した調査で、こんな結果が出た。
中小企業の大半は同法を「必要ない」と受け止めているといい、施行後3カ月で融資条件の変更申請を行ったのはわずか2.4%。「検討している」と回答した企業を含めてもわずか7%にとどまった。
帝国データによると、「市場競争のなかで、返済猶予される企業と返済し続ける企業が存在するのは不公平」「返済猶予を受けると、その後の弊害の方が大きい」など、制度に異論を唱える意見も多いという。
また、「苦しい財務状況を知られると、追加融資が受けられなくなる」との懸念も根強く、帝国データは「返済猶予が本当に必要な中小企業が申請に踏み切れない可能性もある」と指摘する。
法律の効果についてはさらなる検証が必要となりそうだ。
一方、返済猶予に前向きに取り組む金融機関にとっては、「収益につながらない上、手続きのための事務負担が増えるばかり」(大手行関係者)というのが本音。ただ、副作用として、金融検査マニュアルが見直されて不良債権基準が緩和されたため、「短期的に金融機関の与信費用は減少する」(銀行アナリスト)との見方もある。
しかし、「問題の先送りにすぎず、将来の不良債権の増加につながる」(先の大手行関係者)との見方や、「基準緩和は透明性を低くし、中小金融機関の実態がより見えにくくなる」(別の銀行アナリスト)、「借り手のモラルハザードにつながる」(大手行幹部)といった懸念も多い。
中小企業でさえ、必ずしももろ手を挙げて歓迎しない金融円滑化法。なぜ導入されたのか。
「少数与党である国民新党を率いる亀井氏が参院選を控え、自身の行動力や実行力をアピールする材料の1つとして使った」(与党関係者)とみる向きは多い。事実、良くも悪くも与党内での存在感を高め、名を上げたのは間違いない。
最後に、千葉県船橋市の自営業者がこう指摘する。
「中小企業を助けようとする(亀井氏の)姿勢は歓迎するが、(金融円滑化法は)ちょっとずれている。返済猶予よりはまず景気対策だ。仕事さえあれば借金は返せる」
なるほど、もっともな意見だ。(ZAKZAK2010.4.5)
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確かにいまひとつはっきりしない円滑化法!
むしろリース料の条件変更なども含めたトータル的な緩和策が
あると資金繰りは相当楽になるのではないか。
しかし、山場は緊急融資の返済が本格的はじまる12月末までに
景気対策が打てるかどうかにかかっている。
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