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2010年4月 1日 (木)

『経営者が備えるべき二つの強さ』 伊與田覺(論語普及会学監)

1.人の上に立つ者には強さが必要です。ただしこの強さには二つの種類があります。「剛毅(ごうき)朴訥(ぼくとつ)仁(じん)に近し」といいますが、この「剛毅」という文字がそれを示しています。剛は、表面的な強さ、外に表れた強さを意味します。毅は、内に潜んだ強さ、忍ぶ強さをいいます。この忍ぶ強さというものが指導者には求められると思います。

2.清代末期の政治家・曾國藩(そうこくはん)は、四耐四不訣(したいしふけつ)という言葉を残しています。「冷(れい)に耐え、苦に耐え、煩(ぼん)に耐え、閑(かん)に耐え、激(げき)せず、躁(さわ)がず、競(きそ)わず、随(したが)わず、もって大事を成すべし」冷に耐える。冷は冷ややかな目を表わし、冷たい仕打ちや誤解に耐えるということです。苦に耐えるは、文字通り苦しいことに耐えること。人は様々な苦を体験します。煩に耐えるは、忙しさや煩わしいことに耐えること。閑に耐えるは、暇に耐えることですが、経営者であれば仕事のない時期をどう過ごすか。

3.これらのことに耐え、つまらないことに腹を立てず、ものごとが上手(うま)く運んでも調子に乗らず、よけいな競争をせず、かといって何でも言いなりになってはいけないという
戒めです。

(参考:「致知」2010年2月号)

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