【石原知事会見詳報】小沢氏の強権政治「民主党議員は度胸がねえな。腰抜けばっかりだわ」
--民主党の小沢一郎幹事長についてどう考えているのか?
「それは言うと怖いから私は言えないですな。ただね、読売のナベツネ(渡辺恒雄)さんは昔からの先輩で非常に親しくしてんだけど。あの人がね、小沢君が持ちかけてきた大連合の話を内々に聞いていた。で、延べ3回か、4回か会ったんでしょうな。あの時の福田康夫総理がずいぶん注文をつけて、小沢君もそれを全部飲んだそうだけども。結局、持ち帰ったら若い連中が反発して大連合がまとまらなかったそうですよ」
「結果として、それが良かったのか悪かったのか分かりませんがね。『一体、小沢君は何を目的として大連合を持ちかけてきたんですかね?』って言ったら、『そりゃ憲法改正と消費税だろう』って言った。これはとても大切なことでね。今みたいに各政党がポピュリズムに走って、人気取りのため、不人気になる増税のことなんかとても言えない時代にね。日本の財政はどんどんどんどん傾いていって、船でいうと機関室まで水が入ってきちゃったんだよ。こういう財政状況の中で一番的確な財源の確保は消費税しかないですよ。こんなに消費税の安い国は国はないんだから」
「それから、この国際時代になって外国の投資が日本にやってこない。それは法人税が高すぎるから。日本みたいに高い国はないですね。こういったものを安くする、それを補填(ほてん)する財源は増税しかない。それが一番妥当なのは消費税しかないでしょう。いま安すぎるんだから」
「これをね福祉に限って使う目的税にして…。かつての自民党でもその議論がありました。生活必需品を何にするのか。米を買ってくるのは非課税だけれど、コンビニで出来上がってるおにぎりを買うのは消費税の対象になるうんぬんの議論があったけど、どっかに飛んじゃったんだ」
「で、どんどん船が沈んでいって、もう喫水線を割るまで水が入ってきた。この時期にね消費税(の増税を)誰かやらなくちゃいけないけど、単独の政党ではできない。『だったら大連合組んでやろう』ということで小沢君がこの話を持ちかけてきた。僕は一種の国家の大計を踏まえた提案だと思いましたな。本当だとしたら」
「そういうことで感心したけれども。結局、実らなかったんだけれども。まあ彼も彼なりの政治家だから色々なことを考えてるんでしょう、それは。だけど結果はね、やっぱり私は見なきゃいけないと思う。それにまつわって金の問題は国民に対してはっきりと説明しないとね。何で政治家がやたらあちこちに土地を買って不動産を増やすのか、僕はよく分からんね」
「そういったことも一国をリードしようと思っている大黒幕とするなら、黒幕ゆえでもやっぱり金銭に関する説明は国民にする必要があるのではないかと思いますけれどね。それ以上のことは分かりません」
--民主党の他の議員が小沢氏に意見が言えないということと、知事が述べた「怖い」ということは共通するのか?
「そうでしょうね。僕なんて、(小沢氏より)とても怖くて力があったけど、田中角栄さんに反抗しました。あの人は小沢君よりはるかに陽性でね、陽気だったけれど。とにかく青嵐会が血判までして、金権(政治)に反対したんだから」
「田中さんが失脚したのはロッキード(事件)じゃないですよ。ロッキード事件はもっと後になって起こったんだから。アメリカが『この男は必ず復活するだろう。したらば、またとんでもないことするぞ』と。その走りは何かと言うと、原子力(発電)のウラニウムの購買ルートをアメリカに依存せずに日本が独自のものを取っていこうって、彼が走り回って、カナダに行って。とにかくアメリカがそれに非常に怒って、ロッキード事件という訳の分からない事件を起こして。あの裁判もずいぶんめちゃくちゃな裁判だったね、考えてみると。(角栄氏が)失脚したんだけれど」
「角さんが総理大臣を辞めたのは、僕たちが金権反対で、私が最初に論文書いて。これ私、告訴されました。そのあと立花隆君と、児玉隆也君が2つの論文を書いて。それで児玉隆也君が『淋しき越山会の女王』という、越山会と田中の金庫番をして絶大な権力を持っている佐藤昭子さんっていう女性をターゲットにして…。若い諸君は知らないだろうけれど。そしたら参考人に呼ぼうじゃないかってことを参議院で決めちゃったんだ。それで角さんスパッと辞めたんですよ」
「ですからね、僕ら金権が良くないと思ったら必死になって戦いましたよ。まあ、そこに行くと、民主党の議員は度胸がねえな。腰抜けばっかりだわ。国を思うんだったらね、やっぱり『訳の分からない金ってものははっきりしてもらわないと困る』と、『政治そのものが不信になったら国政が立っていかない』と思ったならば、民主党の若い議員たちはもっと声を上げるべきじゃないですか? それが政治家としての責任だし、小沢幹事長に恩義があるなら、その恩を返す恩返しになるんじゃないか? はい、それじゃ」(産経ニュース2010.5.7)
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