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2010年7月20日 (火)

靖国神社の特攻隊員ら戦没者遺書、初の選集 今どきの若者はどう読む

 靖国神社東京都千代田区)に祭られた246万6千余柱の戦没者の遺書や手紙から100編を選んだ「国民の遺書 『泣かずにほめて下さい』靖國の言乃葉(ことのは)100選」(産経新聞出版)が出版された。靖国神社の全面協力を得た初の選集。太平洋戦争末期の特別攻撃隊員をはじめ戦没者が遺した父母、妻子、弟妹、そして祖国への最期の言葉が収められている。今どきの若者たちは、65年前の同世代の思いをどう受け止めるのだろうか。

 靖国神社は昭和35年から境内の掲示板に毎月1通ずつ、戦没者の遺書や遺詠、手紙を掲示している。これまで靖国神社発行の冊子「英霊の言乃葉」(1~9集)にまとめられてきたが、靖国神社でしか買えなかった。今回、漫画家の小林よしのりさん(56)が100編を選び、靖国神社史料課が解説をつけた。

 沖縄戦で戦死した29歳の渡辺研一陸軍中尉は妻へこうつづった。

 《愛する日本、その國に住む愛する人々、その為に吾等は死んで行くのだと考へることは真実愉しいものです。…あなたの夫はこのやうな気持ちで死んで行つた…》

 本書を読んだ若者に聞いた。成城大3年の大城翔太郎さん(21)は「父母や妻への思いに共感する一方、死地へ向かうことに腹をくくった強さを感じた。自分の今の生活でここまで覚悟を決める場面があるだろうか」。

 日本女子大4年の鈴木景子さん(22)は「自己中心的な私たちの世代と違い、最期であるにもかかわらず他者のことを考えている。ただ、国への思いというものは正直よく理解できない」と話した。

 全国最年少の16歳6カ月で神風特攻隊に参加した野村龍三・二等飛行兵曹は、遺言書で勇ましい辞世の句を披露しつつも、最後にあふれ出たのは次の言葉だった。

 《龍三ヨクヤツテ呉レタト一言デモヨイカラ云ツテ下サイ 出撃一時間前 御両親様》

 野村二等兵曹と同じ16歳で国士舘高1年の小田潤平君は、野球少年の日焼けした顔で遺言書を読み「自分の命よりも国を守ろうとした当時の若い世代の気持ちを、今の若者ももっと知るべきだと思った」という。

 「そうすれば、今の社会で『死にたい』と考える人も減るのではないか」

 小林さんは、本書のまえがきで「英霊の遺した言葉は今どきのネットのコメントやブログ、政治家の泡より軽い言葉とはまったくの対極にある。日本の国が続く限り、何度もよみがえって読む人の心を打ち続けるだろう」と述べている。

 靖国神社史料課長の野田安平権禰宜(ごんねぎ)(48)は「当時の若者たちの、人間として、日本人としての思いを多くの人に知ってほしい」と話す。

(産経ニュース2010.7.18)

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