【主張】反日運動 中国は邦人の安全を守れ!
日本の領土である沖縄・尖閣諸島周辺での海上保安庁巡視船と中国漁船との衝突事件以降、中国各地で日本の公館や在留邦人への悪質ないやがらせが約30件も起きた。
広州市の日本総領事館にはビール瓶が投げつけられ、天津市の日本人学校では金属球が撃ち込まれた。いずれもきわめて危険で、看過できない。日本は重ねて中国に対し、再発防止と在留邦人の安全確保を強く申し入れるべきである。
繰り返し強調する。尖閣諸島は日本が明治時代の1895年、他の国が領有した形跡がないことを確認し領土に編入した。衝突事件では領海侵犯した中国漁船の海保巡視船への公務執行妨害は明らかで、船長が逮捕された。
にもかかわらず中国政府がこれを不当とし、船長の即時釈放を求めているのは筋違いだ。加えて中国メディアの激しい論調が新たな反日運動を後押しする状況だ。
中国の反日運動はこれまでにもしばしば起きた。
2005年には歴史教科書問題や日本の国連安全保障理事会常任理事国入りに反対する機運が広まった。4月、四川省成都で起きた日系スーパーに対する暴動を皮切りに、北京の日本大使館や上海の日本総領事館を反日デモ隊が取り囲み、レンガの破片やペットボトルなどが投げ込まれた。
この時、日本政府は中国側に謝罪と賠償を求めた。しかし、中国側が「そもそもの原因は日本にある」と拒絶した経緯がある。今回の衝突事件を5年前のような事態にしてはならない。
中国も批准するウィーン条約には「領事機関の公館の不可侵」の条項がある。同条約に基づき、日中両国政府は今年1月、領事協定の批准書を交換している。その趣旨からすれば、日本の公館と、約13万人にものぼる在留邦人を守るのが中国政府の義務であり、責任でもある。
米ニューヨークで今月下旬に開かれる国連総会に合わせた菅直人首相と温家宝中国首相の首脳会談は見送られる見通しだという。外務省幹部は衝突事件の影響を認めたうえで「日本側から会談を申し込んで断られたら、中国側の思うつぼだ」との見解を示した。
しかし、こういう時こそ会談が必要ではないのか。日本は、「反日」では日中間の問題は何ら解決しないと直言すべきだ。(産経ニュース2010.9.17)
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