『異常に素直な経営』大村禎示(西松屋チェーン社長)
1.従来、日本は小売業は子供を連れた顧客にとって、快適とは言い難い店舗運営を続けてきた。通路は狭く、ベビーカーで通り抜けるのに一苦労。四六時中BGMが鳴り響き、複雑なレイアウトの店内には、子供がぶつかってけがをしそうな什器やマネキンが並ぶ。子供の世話のため一刻も早く買い物を済ませたいのに、レジはいつも長蛇の列。さまざまな過剰サービスのコストが含まれる結果、価格も決して安くない。
2.日本一の子供服店西松屋チェーンは、そんな顧客に、ストレスを感じることなく買い物ができる店舗を提供した。通路はベビーカーが3~4台すれ違えるほど広く、店内はいつも空いていて、過剰な接客は一切ない。極限まで効率化された店舗運営の結果、価格も安い。現在Tシャツは1枚299円から販売され、顧客は、子供の成長に合わせ値段を気にせずまとめ買いすることが可能だ。西松屋の躍進は、今から20年前、米国生まれの「チェーンストア理論」と「顧客第一主義」を「異常に素直に」実践し続けたことだ。
(参考:「日経トップリーダー」2010年6月号)
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