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2010年9月22日 (水)

国際会計基準で「名ばかり」有給消える? ポイント還元に変化も

  2010年3月期から日本で任意適用が始まった国際会計基準(IFRS)の本格導入に向け、国内企業の準備が進んでいる。上場企業に対し、15年にも強制適用が始まるIFRSは、従来の日本基準にはなかった会計処理が求められ、企業経営への衝撃は大きい。社員に身近なところでも、年次有給休暇の未消化分が企業の負債として計上されるため、「有給をとれる雰囲気にはない」といった日本の企業風土を変える可能性さえある。小売業界を中心に現金値引きの代わりに広く普及しているポイント還元分は、売上高からさっぴかれ、見かけ上の減収要因にもなる。

 IFRSの強制適用は12年に金融庁が最終判断するが、15年か16年にはスタートするのは確実な情勢だ。このため、大手企業には前倒し導入を目指す動きが目立っている。

 NECは13年3月期からの適用を目指して準備中だ。同社はIFRSの導入に伴うシステムにかかわるコンサルティングをビジネスチャンスととらえており、先行導入に踏み切ることで、顧客に信頼性の実績をアピールする考えだ。

 ソフト情報サービス関連に対するIFRS導入に伴う特需規模は「11年度から3年間で約1兆円」(大和証券キャピタル・マーケッツ)にも上るとみられる。

 国際会計基準(IFRS)の強制適用に先駆けて、各事業部門の傘下に海外事業所が入っているカンパニー制度を導入した旭硝子も、「グローバル展開を意識した経営強化の一環」として、13年12月期から導入する構えだ。
  内需型企業の代表格の電力業界の関心も高い。東京電力は強制適用の2年前までに準備を整える方針だ。「国際基準と日本基準との差異で、グループ全体への影響を調査する必要がある」(同社)とし、09年9月にプロジェクトチームを設置して分析を急ぐ。

 現在、任意適用でIFRSを導入しているのは日本電波工業1社だけだが、金融庁の方針が決まれば、前倒し適用が一気に広がるとみられる。

■日本型経営に影響

 新たな会計基準の導入は、企業をみるモノサシが変わるということだが、その余波は日本的な企業風土にも及ぶ。象徴的な例が有給休暇の扱いだ。

 「財務諸表を通じて、有給休暇の未消化分を意識しないといけなくなるので、企業は有給休暇の取得をいっそう促進する方向に動くかもしれない」

 大和総研の吉井一洋制度調査担当部長はこう指摘する。

 年次有休暇は継続勤務年数に応じた日数で、取得権利が発生する労働基準法で定められた制度。6年6カ月以上、継続勤務した場合は20日間、労働者は取得できる。有給休暇の有効期限は付与された日から2年間で、会社による買い取りは禁止されている。

 しかし、2008年中の1人平均年次有給休暇の付与日数平均(厚生労働省の09年調査)は18日間で、取得日数は8.5日。取得率は47.4%にとどまる。完全消化にはほど遠いのが現実で、「名ばかり休暇」の企業は少なくない。

 IFRSはこうした未消化分に対して、「有給休暇債務」として会計処理を求めている。

  これまでは、損益計算書にもまったく反映されなかったが、従業員数や有給休暇残高、消化率などを用いて、債務計算される仕組み。社員が多く、取得が進んでいない企業は人件費の増加要因になる。有給休暇の取得率が8割を超える米国やフランス、ドイツなどに比べて消化率が低い日本だけに、その影響も大きいとみられる。

■年金・値引きにも

 大企業が抱える確定給付企業年金の引き当て不足問題も、IFRSの導入によって噴出する恐れがある。退職給付債務は複数年にわたって償却しているケースが多いが、一括して貸借対照表上に負債として計上するよう求められる。

 会計・経営管理コンサルティングのアドライトの木村忠昭社長(公認会計士)は「年金負担によって競争力が弱まっている企業は制度を見直す可能性がある」と指摘する。

 消費者にとって馴染みのある家電量販店などの小売店で扱われているポイント還元にも影響が出そうだ。値引きと解釈され、IFRSでは売上高からの控除が徹底されるからだ。つまり、「100円で消費者に商品を売って10%のポイント還元をすれば、売り上げは90円になる理屈」(木村氏)だ。見かけの上の売り上げの目減りを懸念する企業は値引き戦略を見直す可能性がある。メーカーが販売奨励に小売店などに支払う「リベート」も、同様の扱いになる。

 IFRSは決算書の形だけでなく、日本的な経営のあり方を大きく変えるきっかけになる。(比嘉一隆)

  島崎憲明住友商事特別顧問(IFRS対応会議国際対応委員会委員長)

 政府は、連結決算の上場企業へのIFRSの強制適用を早期に決めてほしい。中国、韓国、インド、インドネシアなどでも導入が進んでおり、アジアの中で日本だけが、もたもたしているわけにはいかない。

 韓国ではすでに、IFRSを59社が導入しているが、日本は1社だけ。避けているだけでは、解決にならない。不安ならば、欧州の製造業などがどのようにIFRSをこなし、導入しているのか政府は研究すべきだ。

 上場企業への強制適用は、第1バッター、第2バッター、第3バッターと、企業規模などに応じて段階的に導入させていくのが現実的だろう。

(産経ニュース2010.9.20)

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