【衝撃事件の核心】AV嬢は16歳!「男の欲望」の被害者は少女?それとも…
女子高生をイメージした女優が出演するアダルトビデオ(AV)はあまたあるが、実際に18歳未満の少女が演じていたら…。16歳の少女をAVに出演させたとして、児童福祉法違反(淫行)などの疑いで、芸能プロダクション元社長の男らが警視庁に逮捕された。少女が出演した作品は回収・販売中止の措置が取られているが、いまだに販売が続くAV通販サイトでは事件の影響で少女の出演作品は大人気商品となっている。「アルバイト感覚だった」と、AV出演を悔やんでいるという少女。支払った代償はあまりに大きい。(福田涼太郎)
■1枚500円が1万円以上にも…出演DVD価格高騰
男優「最近のマイブーム(趣味)は?」
女性「肌を焼くことでしょー。クラブ行くことでしょー」
男優「どういう系の人がタイプ?」
女性「かっこよくてー、優しくていちずな人!」
日焼けした派手なメークの若い女性が、路上を歩きながらビデオカメラを向ける男優の質問に答える。
女性は日焼けサロンの店員という設定。明るく笑顔で受け答えをするが、あまりカメラとは目線を会わせず表情は硬い。
店舗に到着すると、肌を焼く機械が設置された個室へ男優を案内。「初めて来たので焼き方を教えて」という男優の求めに応じ、服を脱いで実演するうちに“行為”が始まる…。
この女性が今回の事件の被害児童となる当時16歳の少女(17)だ。
そして少女をAVに出演させたとして逮捕されたのは、芸能プロ「コーラルプロモーション」(7月閉鎖)社長だった幸村章寛(28)と部下の小川智之(25)の両容疑者。
「もう少し(しっかりと)少女の年齢を確認すれば良かった」
幸村容疑者は逮捕後にそう供述したという。
警視庁少年育成課によると、少女が出演したのは今年1~4月に撮影された全19作品。うち15作品のDVD計8万5470枚はすでに出回っている。
5月以降は「18歳未満が出演している」という風評が広まり、制作会社は自主的に販売中止・回収措置を取ったが、時すでに遅し。今月7日現在で、2万8282枚は販売済みだった。
事件発覚後も少女の出演作品は一部の通販サイトやDVD店では販売が続き、好奇の目を持った多くの利用者が殺到、人気ランキングは軒並み上位を占めた。またオークションサイトでは、通常1枚500円のDVDが1万円以上で取引されるケースも出るなど、もはや“お祭り”状態となっている。
「一度出回ってしまうとDVDとしてだけなく、ネット上にもアップされ、映像がずっと残り続けることになる」
ある捜査関係者は被害回復の難しさを語った。
■「もしものために」持ち出した姉の免許証使う
関係者によると、少女は昨年4月、千葉県内の高校に陸上選手としてスポーツ推薦入学。しかし、入学時には陸上に対する興味を失っていたため一週間で自主退学した。両親と折り合いが悪くなり、昨年11月には家出をしてラーメン店でアルバイトしながら友人宅を泊まり歩いていたという。
その間に「ペットを飼いたい」と思うようになったが、バイトだけでは購入資金が足りない。携帯電話の闇サイト掲示板にあった「モデル募集高収入」の文字が目にとまり、コーラル社の“タレント”募集告知にたどり着いた。
「せいぜいレースクイーンか水着姿の写真撮影だろう」
軽い気持ちで臨んだ今年1月の幸村容疑者との面接で、持ちかけられたのはAVへの出演だった。
「報酬月80万円保証」
「住居の提供」
条件が少女にとって好都合なものだったこともあり、出演を承諾することにした。
その際、幸村容疑者は少女の年齢を確認したが、少女は22歳の姉の免許証を差し出した。「もしもの時のため」と家出の際に姉に無断で持ち出していたのだった。うのみにした幸村容疑者は他に十分な年齢確認を取らないまま、自分で決めた芸名を少女に与え、AV女優として採用した。
■何度も「ネンカク」をすり抜ける…「新しい年齢確認法を」
ハイペースで撮影をこなす少女だったが、それも長くは続かなかった。
「もうすぐDVD発売日だね」
「○○(少女の芸名)って知ってる?」
デビューから間もなく、少女が実名で公開していたブログには、AV出演を知っているかのような書き込みが寄せられるようになった。
少女の地元でも風評が広がり始めたため、少女は4月末に業界を引退した。
幸村容疑者は、少女が自宅の家賃を滞納したまま姿を消したことから少女の実家に連絡。そこで家族から実年齢を聞かされることになった。
だが業界内では早い時点で「(少女は)未成年ではないか」といううわさが立ち始めていた。
そのため、ある都内の制作会社は電話で幸村容疑者に電話で問い合わせたが、「分かりました。調べます」と答えるのみで、その後は連絡が取れなくなったという。
この制作会社はすぐにDVDの回収措置を取ったが、すでに「300万円くらいは損害が出た」(担当者)。一部の制作会社では損害賠償訴訟を起こす動きが出ているが、同社は「手間がかかるだけで、(訴訟を起こしても)お金が取れるか分からない。それにある意味、幸村容疑者たちも被害者」と少なからず同情を示す。
同社では出演予定の女優と面接する際、「ネンカク(年齢確認)」を徹底するため、免許証のコピーを女優の顔の横にかかげて写真撮影をする。撮影直前にも現場で同様の写真を撮影するほどの厳しさだ。
当然ながら少女も同様の手続きを踏んだが、「姉妹の顔を見分けることは難しかった」(担当者)という。
「AV業界だけでなく飲食業でもタバコ販売業も同じことだが、ネンカクの確実な方法が確立されないと厳しい。うそをつかれてまじめにやっている人が損をする」
同社担当者は新たな年齢確認方法成立の必要性を訴えている。
■繰り返される年齢詐称…「女性側にも問題」
「故意に18歳未満の女の子を使うなんて、制作サイドは自分の首を絞めるだけなのであり得ない。発覚すれば男優を始めメーカーなど、迷惑をかける人数は計り知れない」
AV業界に詳しいライターの大坪ケムタ氏は解説する。
過去にも18歳未満の少女が姉や他人になりすまし、住民基本台帳カードなどを使って年齢を偽り、芸能プロの面接を受けるケースはたびたび発生している。当然ながらその都度、芸能プロは摘発され、制作側は作品の販売中止や回収措置を取っている。
「女性の方は悪くないような報道のされ方をしているが、業界側も精いっぱい(年齢確認を)やっている」
大坪氏は業界側の厳しい現状に理解を示す。
一方、捜査幹部は「雇う側は健全な雇用をするつもりがあるのなら、複数の方法を取るなどして厳格に年齢確認をするべきだ。『バレなければもうかる』という意識が底流にあるから同種事件が相次ぐのだ」と、業界の甘い認識を断罪する。(産経ニュース2010.10.24)
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さすが産経新聞
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