『人を育てる原点と要諦』
1.「私はドイツの母親、ドイツの婦人の家庭的な伝統の中に、我われの政治的未来に対する、我われの築くいかなる要塞(ようさい)にも増して、確固たる保証をみる」。鉄の宰相と
いわれたドイツのビスマルクの言葉である。どんなに堅固(けんご)な要塞より、母親が家庭でどういう教育をしてるかがドイツの未来を保証する、というのである。ドイツに限ったことではない。人格の土台を創るのは家庭である。一家の習慣、教養、風儀が子供の人格の核を創る。人を育てる原点である。
2.家庭で創られた人格の核を土台に人は社会に飛び出していく。社会への雄飛を橋渡しするのが師と友である。いかなる師と出会うか。どんな友を得るか。師友との切磋琢磨度によって、人はさらなる成長を遂げていく。人の生涯は、人を育て人を育てられる連鎖である。
3.荻生徂徠(おぎゅうそらい)の人を育てる要諦をいくつかご紹介する。
(1) 人の長所を始めより知らんと求むべからず。人を用いて始めて長所の現わるるものなり。
(2) 人はその長所のみを取らば即(すなわ)ち可なり。短所を知るを要せず。
(3) 己が好みに合う者のみを用うる勿(なか)れ。
(4) 小過をとがむる要なし。ただ事を大切になさば可なり。
(5) 用うる上は、その事を十分に委(ゆだ)ぬべし。
(6) 上にある者、下の者と才知を争うべからず。
(参考:「致知」2010年9月号)
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