「第442連隊戦闘団」って知ってましたか?
1941年12月の真珠湾攻撃に伴い、アメリカ合衆国は大日本帝国に対して宣戦を布告した。その後アメリカ軍は各地で敗退を続けたこともあり、アメリカ政府は日本軍のハワイ侵攻及び本土進攻を恐れていた(後に日本海軍の潜水艦によるアメリカ本土砲撃や、艦載機によるアメリカ本土空襲が行われている)上に、その際のアメリカ国内の日系人社会の動向を、黄色人種に対する人種差別的感情を背景に不安視していた(実際に同じく敵国であったドイツ系やイタリア系アメリカ人については、大がかりな強制収容は行われなかった)ことなどから、1942年2月以降に、アメリカ西海岸に居住していた日系人と日本人移民約12万人は、ほとんどの財産を没収された上で全米に散らばる強制収容所に強制収容された。
なお、ハワイ居住の日系人については、全体の人口に対して、その率が島によっては人口の半分程度とあまりにも多く、社会が成り立たなくなると同時に膨大な経費と土地を必要とすることになるため、ハワイ当局は、日系人社会に対して影響力が高いとみられた日系人会幹部や僧侶ら数百人程度をホノルルのサンド・アイランド(一部は本土)に強制収容したのみであった。
第二次世界大戦の戦争目的として、日本は「アジアの白人支配からの打倒」を謳い、アメリカでの日系人の強制収容を「白人の横暴の実例」として宣伝していた。アメリカはそれに反駁する必要に迫られ、日系人の部隊を編制することになった。また、高い士気を持った第100歩兵大隊が、軍事訓練においてひときわ優秀な成績をあげたこともこれを後押しした。
1942年6月に、在ハワイの日系二世の陸軍将兵、約1,400名は「ハワイ緊急大隊」に編成され、ウィスコンシン州に送られた。同地のキャンプ・マッコイで部隊は再編され、第100歩兵大隊(100th infantry battalion)と命名される[3]。大隊長以下三人の幹部は白人だったが、その他の士官と兵員は日系アメリカ人で占められていた。ここで部隊は訓練を重ね、1943年1月にはミシシッピ州のキャンプ・シェルビーに移駐する。これ以前にも、既に3,500人の日系人がアメリカ軍でさまざまな任務に当たっていた。
1943年1月28日、日系人による連隊規模の部隊が編制されることが発表され、強制収容所内などにおいて志願兵の募集が始められた[3]。部隊名は第442連隊であるが、歩兵連隊である第442連隊を中核に砲兵大隊、工兵中隊を加えた独立戦闘可能な連隊戦闘団として編成されることとなった。ハワイからは2,600人、アメリカ本土の強制収容所からは800人の日系志願兵が入隊した。本土の強制収容所からの入隊者が少ないのは、その強制収容所における親日派・親米派の対立や境遇が影響していたが、ハワイではまるで事情が違い、募集定員1,500人の6倍以上が志願したため[3]、定員が1,000人増やされた。なお、徴兵年齢(18-39才男性)の日系人人口は、ハワイで23,000人強、本土では25,000人程度で大差はなかった。
編成当初、背景事情の違いから本土出身とハワイ出身者の対立は深刻で、ハワイ出身者は本土出身者を「コトンク(空っぽ頭)」、自分たちを「ブッダヘッド(刈上げ髪を揶揄した言葉、もしくは釈迦の頭)」と呼んで互いに嫌いあい、第100大隊の兵士も加わった暴力沙汰も報告されているが、短期間で対立は解消された[4]。
なお、日系人部隊の合言葉であった"Go for broke!"(「死力を尽くせ!」[1]、「当たって砕けろ!」、「撃ちてし止まん」[5])は、元来は有り金すべてをつぎ込むことを意味するハワイ(ハワイの移民プランテーションでは、賭博が盛んに行われていた)のギャンブル用語であり、ピジン英語である。
(ウィキペディアより)
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