【主張】柳田法相辞任 問われている内閣の存立
「答弁は2つ覚えておけばいい」などと語っていた柳田稔法相が辞任した。法務・検察行政への責任者意識も希薄で、辞任は当然だ。
菅直人改造内閣では初の閣僚辞任だけに、菅政権への打撃は大きい。菅首相にとって正念場を迎えつつある。
今回の辞任で浮き彫りになったのは、菅内閣の危機意識の欠如であり、統治能力への疑問である。
法相の後任は仙谷由人官房長官が兼務した。その仙谷氏自身は尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件への対応に加え、自衛隊を「暴力装置」と呼んだことで責任を追及され、問責決議案の対象になっている。その場しのぎといえる人事は危機感があるのだろうか。
首相の指導力もよく見えない。首相は法相の発言問題が深刻化した後も「柳田氏には頑張ってもらいたい」「閣僚としてよくやっている方だ」と語るなど、辞任は必要ないとの姿勢を示した。辞任後の22日の参院予算委員会でも「柳田氏が自ら辞任を申し出た」と説明した。閣僚として不適切な人物を自らの意思で罷免しなかったわけだ。任命責任を追及されることを躊躇(ちゅうちょ)しての発言なら、最高指導者としての資質を疑う。
首相の指導力には国民から疑問符がつけられている。産経新聞社とFNNの合同世論調査で、内閣支持率は21・8%で、10月末の調査から15ポイント近く下落し、不支持率は59・8%だった。首相の指導力への評価は7・8%で「評価しない」が84・6%に上った。
また、菅政権の外交・安全保障政策で82・2%、領土問題への対応では84・5%が「評価しない」と答えている。衝突事件のビデオ映像を早期に全面公開することが国益につながったと見る人が8割近くいる。民主党政権では主権を守れないとの懸念が広がっていることが如実に示されている。
景気対策への評価もわずか8・6%にとどまるなど内政課題の評価も厳しい。多くの分野で統治能力のなさを覆い隠せなくなっていることを、国民に見抜かれているといえる。
自民党は仙谷氏と馬淵澄夫国土交通相への問責決議案を提出する構えだが、党内には慎重論もある。他の野党もまとめ上げて問責可決に持ち込めるかどうか、野党第一党としての力量が問われる場面といえる。(産経ニュース2010.11.23)
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国民が利口になったのか?
情報量が豊富になったからか?
いやいや、政治家のセンス、レベルが一気に低下したのが、
政治が混迷している一番の理由だろう。
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