『中国古典を学び実行する』守屋洋(中国文学者)
1.中国古典は、日本人の教養の根幹でした。江戸時代の後半から末期にかけて、藩校や私塾で人材育成が行われましたが、そこで教えたのは、1つの例外もなく中国古典でした。先人たちは、中国古典を鵜呑みにしたわけではありません。日本の伝統の中にうまく取り入れました。中国古典から日本の先人が学んだことは大きく言って3つあります。
2.1つは修己治人。己を修め人を治めるです。上に立つ者はどうあるべきか、リーダーの心得です。2番目は経世済民です。国や組織をまとめていくにはどうすればうまくいくのか。政治や経営についての心得と言ってもいいでしょう。もう1つが、応対辞令です。人と会って話をする時の受け答えです。人間関係についての心得であり、外交交渉など交渉ごとの心得でもあります。この下地があったから、明治という時代を作り、20世紀という激動の時代を生き残ることができたのです。
3.薦めているのは次の3冊です。まずはやはり「論語」です。一番基本的な古典です。「論語」からは信頼される社会人、説得力のあるリーダーには何が必要かを学ぶことができます。残り2冊は「孫子」「韓非子」です。大事なのは知識を少しずつ実行に移していくことです。自分の体験の上に立って納得しなければ。そういうものが強いのです。
(参考:「日経ビジネス」2010年8月23日号)
« 桑田の初回盤は“快気祝い”の豪華版! | トップページ | 『重要なのは未来の業績である』 (P.F.ドラッカー) »
「歴史」カテゴリの記事
- 世界のニュースを日本人は何も知らない3 - 大変革期にやりたい放題の海外事情(谷本真由美著)(2022.07.06)
- 6月10日:本家北海道移住(2022.06.10)
- 4月23日:岩田守耕先生ご命日(2022.04.23)
- 庶民の日本史 ねずさんが描く「よろこびあふれる楽しい国」の人々の物語(小名木善行著)(2022.04.15)
- 日本が感謝された日英同盟日本が感謝された日英同盟(井上和彦著)(2022.02.09)
「経営」カテゴリの記事
- 新・現代会計入門 第4版(伊藤邦雄著)(2022.05.27)
- 成しとげる力(永守重信著)(2022.05.24)
- 映画「七つの会議」(2022.04.08)
- 永守流 経営とお金の原則(永森重信著)(2022.03.09)
- ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら(眞邊明人著)(2022.01.26)
« 桑田の初回盤は“快気祝い”の豪華版! | トップページ | 『重要なのは未来の業績である』 (P.F.ドラッカー) »
コメント