『専門と教養とのバランスのよい勉強が豊かな人生をもたらす』鎌田浩毅(京都大学大学院教授)
1.デューイは20世紀前半にアメリカで活躍した哲学者で著書「民主主義と教育」(岩波文庫)では、自由と民主主義の時代にあるべき実践的な教育について、自由闊達(かったつ)に論じている。新しい時代には、誰もが人格的に豊かな生き方をするための教育が必要と説く。そのためには万人に対して「教養」の教育が必要となる。
2.教養とは、「育成されたもの、成熟されたものを意味する。つまり、生のものや、未熟なものに対立するのである。また教養は、人格的なものである。つまり、それは、思想や芸術の鑑賞や広い範囲にわたる人間の関心事に関して修養をつんでいることなのである」。現代でも職業教育など目に見える能力の獲得だけ重要視されるきらいがある。
3.そもそも勉強は学校時代で終わりではなく、一生にわたって不可欠である。自分の仕事に必要な知識だけでなく、幅広い教養を身に付ける学習も続けなければならない。より高いレベルの仕事をするうえでも、よい人脈に恵まれるためにも、さらに、豊かな人生を送るためにも、専門と教養とのバランスのよい勉強が一生にわたって意味を持つのである。
(参考:「週刊東洋経済」2010年9月11日号)
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