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2011年2月24日 (木)

延命限界で4月倒産ラッシュ? 返済猶予“隠れ不良債権”化

 新年度入り後、企業倒産が増加する懸念が出ている。平成21年12月に施行された借入金の返済猶予を促す「中小企業金融円滑化法」で倒産は抑制されてきたが、その結果、銀行の“隠れ不良債権”が増大。政府は同法を当初期限の今年3月末から1年延長することを決めたが、銀行側は「安易に猶予を繰り返すことはできない」との姿勢を強めており、延命措置が外される恐れがあるのだ。

金融庁の“ご指導”

 「父親から受け継いだ会社をつぶすわけにはいかない。社員の生活もある。延長は大変ありがたい」

 都内で食器販売業を営む50代の男性は、ため息混じりに漏らした。

 円滑化法の適用で月々の返済は大幅に減り、数人を抱える社員の給与を何とか払えるようになった。12月に決算を閉めたところ、昨年はわずかながら利益を出せた。だが、事業は先細りの一途で、アルバイトをしながら、自転車操業を続けている。

 同法は連立政権に参加し、金融相だった国民新党の亀井静香代表が、ぶち上げ成立させた。当初は銀行に猶予の義務化を目指し、“モラトリアム法”とも呼ばれた。

 結局、融資先から申請を受けた金融機関は「できる限り応じるよう努めなければならない」という努力義務を課すことで落ち着いたが、「金融庁の“ご指導”もあり、実態は義務化と変わらない」(メガバンク関係者)。

 昨年9月末までの累計申請件数は約118万件に達し、うち88%の28兆6216億円分の融資について猶予などに応じた。

 その効果はてきめんだった。企業倒産件数は、東京商工リサーチによると、昨年12月まで17カ月連続で前年水準を下回り、22年の年間件数は前年比13・9%減の1万3321件と大幅に減少した。

特例措置で表に出ず

 一方で、副作用も生じている。本来、返済が滞ったり、金利の減免に応じると、不良債権に分類しなければならないが、金融庁の特例措置で、同法に基づき返済条件を変更した場合は、正常債権として扱うことが認められた。

 日銀は、この特例措置により、「22年3月期末の不良債権比率は大手銀行で0・6ポイント、地方銀行は1・6ポイント押し下げられた」と試算する。表に出てこない隠れ不良債権は、「数兆円規模に上る」(金融筋)との指摘もある。

 景気が好転せず、仕事が増えないなか、返済猶予は「延命措置による倒産の先送りにすぎない」との指摘も多い。

 猶予を受けていた大阪府枚方市の生コンクリート製造会社が昨年11月、大阪地裁に民事再生法の適用を申請して倒産した。帝国データバンクでは「公共事業の削減や建築需要の低迷で受注は激減している。まず猶予ありきだったのではないか」と指摘する。

 東京商工リサーチの調査によると、昨年、円滑化法の適用を受けながら倒産した企業は46社。友田信男・情報本部副本部長は「先行きが見通せず、実効性ある経営再建計画を作れない企業も多い」と分析する。

再猶予は厳しく

 「円滑化法の延長はモラルハザードにつながる。一定の緊張感をもって対応していく必要がある」

 昨年12月の会見で全国銀行協会の奥正之会長(三井住友銀行頭取)は円滑化法の弊害を指摘した上で、融資先との交渉に厳しい姿勢で臨む考えを示唆した。

 円滑化法の適用を受ける際に銀行へ提出した再建計画を達成できず、新年度入りを前に、再猶予や再々猶予を求めるケースが多発する可能性が高い。

 だが、隠れ不良債権が増大する中、「銀行はモラルハザードを恐れ、簡単には応じなくなる」(友田副本部長)。その結果、資金繰りに行き詰まり、減少が続いてきた倒産が増勢に転じる恐れがある。

 円滑化法とは別に、景気対策として続いてきた都道府県などの信用保証協会が、借入金を100%保証する「緊急保証制度」は今年3月末で終了する。

 そもそも円滑化法の延長には、通常国会での法改正が必要。参院で多数を握る野党の一部には、副作用を問題視する意見があるほか、菅直人政権の行き詰まりで国会が混乱し法案が成立しない可能性もある。

 日本経済を支える中小企業を取り巻く環境は、厳しさを増すばかり。返済猶予のような一時しのぎではなく、政府と民間銀行が一体となり、経営改善や新規事業の開拓などを支援する取り組みが急務だ。(産経ニュース2011.2.22)

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