【産経抄】2月27日
前の首相にとって米海兵隊の抑止力への理解が「方便」なら、現首相は月2万6千円の子ども手当に「ビックリした」そうだ。民主党の実現不可能な公約の元凶は当時の小沢一郎代表だと言いたかったらしい。何たる無責任さ、もうこの党の統治能力自体を疑うしかない。
▼そんな折、明後日発売の雑誌『正論』に一足早く目を通した。「これが日本再生の救国内閣だ!」というトップ記事にひかれたからだ。このままでは日本は沈没するしかない。誰が救えるのかと、保守派の論客50人に「組閣」をしてもらっている。
▼詳細は同誌をお読みいただけばよいが、「保守派」と断ってあるだけに、世論調査とはひと味もふた味も違っていて興味深い。まず首相だが、安倍晋三氏の「圧勝」である。50人中14人に推された。安倍政権の「戦後枠組みの見直し」にこそ日本再建を期待しているのだ。
▼石原慎太郎氏、平沼赳夫氏らがこれに続いている。稲田朋美衆院議員の「人気」も高く、ほとんどの人が首相や閣僚に推す。防衛相や拉致担当相に田母神俊雄氏や西村真悟氏が挙がっていることとあわせ、国家観が希薄な現政権への痛烈なパンチといえる。
▼中で異色なのはニーチェなどの研究者である適菜収氏の「閣僚名簿」だ。首相が小沢一郎氏で外務相に鳩山由紀夫氏、財務相は菅直人氏である。しかも文科相が日教組出身の輿石東氏、官房長官は仙谷由人氏ときている。菅さんでなくともビックリだ。
▼むろんこれは逆説である。適菜氏も「この内閣で(国民が)一度地獄を見て、悔い改めない限り日本の再生はない」とコメントしている。慧眼(けいがん)である。だが現政権でも地獄を見るのは時間の問題のような気もする。(産経ニュース2011.2.27)
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