【主張】両陛下がお見舞い 苦難を共にし立ち直ろう
天皇、皇后両陛下は東日本大震災の被災者が避難している東京都内の施設を訪ね、被災者を見舞われた。
両陛下は両ひざをついて、一人一人に「少し休めましたか」「ご家族は大丈夫ですか」「ミルクやおむつは」などと声をかけられた。事態が落ち着けば、「一日でも早く被災地を訪れたい」意向を示されているという。
両陛下はこれまでも、雲仙普賢岳噴火(平成3年)、北海道南西沖地震(5年)、阪神淡路大震災(7年)、新潟県中越地震(16年)と大災害のたびに被災地へ赴き、同じような姿勢で人々を励まされてきた。
今回のお見舞いにも、国民と辛苦をともにし、国民とともに歩もうとされる両陛下のお気持ちがひしひしと伝わってくる。
天皇陛下は大震災発生から6日目の3月16日、ビデオを通じて約5分半のお言葉を述べられた。
「一人でも多くの人の無事が確認されることを願っています」と案じ、福島第1原子力発電所の事故も「事態の更なる悪化が回避されること」を切に願われた。
さらに、救援活動にあたる人々の労をねぎらうとともに、「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います」とメッセージを送られた。
陛下が被災者と国民に向け、直接、お気持ちを述べられたのは初めてである。
現在、両陛下はお住まいの皇居・御所で、「国民と困難を分かち合いたい」として、1日数時間にわたり明かりや暖房など電気を一切使わない「自主停電」を毎日、続けられている。また、宮内庁の御料牧場(栃木)で生産された卵や野菜を避難所に届け、那須御用邸(同)の職員用の風呂も避難者のために開放された。
国民も、さまざまな形で被災者と苦難を分かち合っている。
昭和天皇は終戦の日の昭和20年8月15日、ラジオを通じて終戦詔書を発表し、「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ…」と国民を励まされた。今回の大震災は、そのとき以来の国難といえる。
戦後日本は廃虚の中から見事な復興を遂げた。今回の大震災に対しても、国民が一丸となって復興支援活動に全力で取り組み、日本を見事に立ち直らせたい。
(産経ニュース2011.4.1)
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