【主張】女性宮家問題 男系の歴史踏まえ熟議を
宮内庁の羽毛田信吾長官が野田佳彦首相に対し、女性皇族が婚姻後に皇籍を離れる現制度について「皇室のご活動という意味で緊急性の高い課題がある」と説明し、藤村修官房長官も「安定的な皇位継承を確保するという意味では、将来の不安が解消されているわけではない」と述べた。
具体的な制度の検討を首相に要請したのではないとしているが、「緊急の課題」が女性宮家創設の問題であることは明白だ。
現行の皇室典範は皇位継承権を男系の男子に限っている。皇位継承権を持つ男子皇族は7人だが、皇太子さま、秋篠宮さまの次の世代は悠仁さまだけである。一方、未婚の女性皇族は8人で、うち成年皇族は6人だが、結婚と同時に皇籍を離脱されるため、皇族の減少が懸念されている。
女性宮家創設は、女性皇族が結婚しても皇籍を離れないように皇室典範を改め、皇族の減少を防ごうという制度だ。将来の皇位継承を安定したものにするとともに、天皇陛下の公務のご負担を軽減するためにも、皇族の範囲を広げるべきだとする議論の過程で生まれてきた考え方である。
その趣旨で、女性宮家創設は有意義な提案である。しかし、皇族の裾野を広げる方策は、女性宮家創設にとどまらない。戦後、GHQ(連合国軍総司令部)の方針で皇籍離脱を余儀なくされた旧皇族の皇籍復帰も有力な方法だ。
皇統は男系継承が維持されてきた。8人の女性天皇がいたが、いずれも皇后か未婚の皇女で、男系の血を引かない女系天皇の例はない。女性宮家創設を安易に女系天皇容認につなげてはならない。
男系維持のため、小堀桂一郎氏が今月23日付「正論」欄で指摘したように、女性皇族が皇統につながる男子と結婚された場合に、その次の世代の男子に皇位継承権を与えるという考え方もある。
小泉純一郎内閣の平成16年末、「皇室典範に関する有識者会議」が設置され、わずか1年で「女性・女系天皇容認」「男女を問わず長子優先」の報告書が出された。これに先立ち内閣官房が女系天皇を認める極秘文書を作成しており、「初めに結論ありき」の拙速な議論だったことは否めない。
男系で維持されてきた日本の皇統の歴史を踏まえたうえで、将来の皇位継承問題を時間をかけて議論すべきだ。
(産経ニュース2011.11.26)
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奈良、平安時代は、皇族をはなれた男系の男子を日本全国
捜して、男系にこだわって継承したそうだ。
歴史を正しく理解して、最も誇るべき日本の伝統を守っていく
べきだ。
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