『立ち返る場所こそが経営理念』 (東京ディズニーランド)
1.「Tips on Magic」(魔法のコツ)」。オリエンタルランドの全従業員が入社初日に手渡される1つの冊子がある。その中に東京ディズニーランドやディズニーシーの接客術の極意が秘められている。年間訪問者数は2500万人以上。再訪率は90%を超える。それらを支えるスタッフは2万人。うち1万8000人はアルバイト社員だ。
2.冊子は、いわゆるマニュアルの類ではない。中にはディズニーの歴史や世界観、哲学、そしてオリエンタルランドの経営理念といった抽象的なことばかり書かれている。そして、冊子は、正社員だけでなく、アルバイト全員に手渡される。オリエンタルランドでは、正社員は主に運営管理側に回り、来場者とじかに接するのは、社内でキャスト(演者)と呼ばれるアルバイトたち。園内でごみ掃除をしているアルバイトに「何をしているのですか?」と声をかけると、「夢のかけらを集めています」との答えが返ってくる。
3.「キャストの発想の自由度は高く、立ち返る場所さえあればいい」との考えで現場への権限委譲が徹底している。そして「立ち返る場所」こそが冊子の中に書かれている経営理念だ。アルバイトに至るまで、現場の隅々に経営理念を伝えることが、個々人の創意工夫を生み、来場者に「もう一度来たい」と思わせる。
(参考:「日経ダイヤモンド」2011年6月27日号)
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