知られざる幕末の志士「山田顕義物語」
少年時代の山田顕義を描く再現ドラマを中心に、顕義のゆかりの地を紹介。その人となりを浮き彫りにしてゆく。
明治22年(1889年)、色あせた若き志士たちの写真を見つめる山田顕義(渡哲也)には、忘れることができない思い出があった。顕義の人生の原動力ともなった少年時代の同士との出会いが、鮮やかに脳裏によみがえる─。
時は幕末、安政4年(1857年)。黒船の到来により長年続いた幕府の屋台骨は揺らぎはじめていた。長州の萩で武士の家に生まれた山田市之允(山田涼介)、通称・市、のちの顕義は13歳。江戸へ行き人々の役に立ちたいと考えていた。しかし、肝心の江戸へ行く術がわからない。父・顕行(神田正輝)の勧めで松下村塾へ入門し、生涯の師・吉田松陰(合田雅吏)と出会う。父に松陰から江戸へ行く術を学べと諭された市だが、松下村塾の学問は畑仕事など一風変わったものばかり。そんな時、塾生がわずかな金銭のために殺され、その理不尽な死に泣き崩れる市に松陰は言う。「人の行動には必ず理由がある。江戸に行きたいという理由(志)がなければ江戸に行っても役には立たない。江戸へ行くために、ここでしっかり勉強しなさい」。人の志(こころざし)を説く松陰の言葉に、市は初めて松陰を心から尊敬する。そして、いつか江戸へ行くために松下村塾で学ぼうと決意する。
塾で学び始めてひと月が過ぎた頃、市は高杉晋作(桐山照史)と出会う。
「松陰先生のように、本音で生き、自分が正しいと思う道を突き進みたい」と語る晋作。市は晋作のように本音で生き、松陰のように正しく行動できる男になりたいと思う。
農民出身の塾生・伊藤利助(のちの伊藤博文)は仕事と勉強を両立させる努力家だった。熱心な勉強ぶりが松陰に認められ、利助は京へ行くことになる。市は利助のように勉強し、いつか江戸へ行こうと思う一方で、ある怖さにかられていた。勉強すればするほど、自分が何をすべきかわからなくなってくるのだった。悩む市に対し、松陰は自分の想いをしたためた扇を渡す。「怖さを打ち消すのが、江戸に行きたいという志だ」と語る松陰。しかし、市は「なぜ今、扇を渡されたのか。松陰がいなくなってしまうのではないか」という嫌な予感を覚えた。
その予感は的中してしまう。藩の獄に収監された松陰は江戸へ送られ、老中暗殺を企てた罪で死刑になってしまう。打ちひしがれる塾生たちの元へ利助が戻ってくる。利助は江戸で松陰の亡きがらを引き取り、埋葬してきたのだという。「先生の死体を清めると、まるで先生が生きているように感じた。先生は僕たちの心の中に今も生きている」利助の話を聞き、市は「先生の意志を僕たちが受け継ぎ、後世に伝えなければならない」と悟る。松下村塾を綺麗に掃除し、一礼して去っていく塾生たち。これは終わりではなく、新たな旅立ち。塾で学んだ一年間を思い出しながら、市は塾を巣立っていった。
やがて明治に入り、国を救うのは武力ではなく法律だと悟った顕義は、日本法律学校を建立。開校を祝いに伊藤博文(梅宮辰夫)が日本法律学校を訪れ、お互いの今後の活躍を誓い合う。顕義の松下村塾がここに始まった。
番組では、ナビゲーター役の船越英一郎と中井美穂が、山口県萩市を訪れ、松下村塾跡、山田顕義生家など、顕義ゆかりの地を訪れ、ドラマのストーリーテラーを務める。
http://www.mbs.jp/yamadaakiyoshi/index.shtml
http://www.tbs.co.jp/program/mbs_yamadaakiyoshi_20120102.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E7%94%B0%E9%A1%95%E7%BE%A9
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そこに、吉田松陰の教えを守り、一隅を照らす日本人がいた。
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