【びわ湖毎日マラソン】山本は「オリンピック、オリンピック…」と唱えながら歓喜のゴールへ
「オリンピック、オリンピック…」。念仏のように唱えながら、山本は前を追っていた。
日本人トップ、言い換えれば五輪代表の座をほぼ手中に収めていた中本の背後に、ナンバーカード「120」の伏兵が忍び寄る。トラック勝負に残り1周でけりをつけ、サングラスを外して歓喜のゴールへ。「せっかくなので顔を見てもらおうと思って」。新星のお披露目の瞬間だった。
寒さに風雨が追い打ちをかける悪天候。滋賀県守山市に拠点を置く27歳は「琵琶湖のこういう気候は織り込み済み」と前半はじっと息を潜める戦略を立てた。低温、なおかつ雨中の1キロ3分ペースは実力者といえども過酷だ。「(前が)落ちてくる可能性はある。42キロをかけて戦おう」。描いた終盤勝負が見事にはまった。
神戸市出身。兵庫県下屈指の進学校、長田高から中大へ進んだ。箱根駅伝では4年時、5区で区間3位に入ったのが最高。過去3度走ったマラソンの自己記録は2時間12分台でしかない。
「2時間10分を切り、来年のモスクワ世界選手権を目指そう」。佐川急便の中野剛監督は青写真を描いていたが、山本の腹の中は違った。「五輪は4年に1回。やるからには本気で狙っていかないとダメだと」。婚約者には「ロンドンに連れていってあげるから」と大見えを切っていた。
「長距離はやればやっただけ結果として帰ってくる」が身上で、年間通して月間1200~1400キロを走り込む“練習の虫”だ。「後半は誰よりも強いと言い聞かせて走った」。圧倒的な練習量で得た自信こそが、大逆転を呼び込んだ原動力だった。(細井伸彦)
(産経ニュース2012.3.4)
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こういうハングリーな日本人、好きですね~
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