【産経抄】5月26日
テレビのバラエティー番組をめったに見ないので、お笑いコンビ「次長課長」の河本準一って誰、と同僚に聞いて笑われたが、芸名通り普通のサラリーマンのような受け答えだった。「年収5000万円なのに母親が生活保護を受けている」と週刊誌に書かれたのをきっかけにバッシングされ、きのう記者会見を開いていたが、どうせなら笑いの一つもとってほしかった。
▼芸の道は昔も今も厳しい。河本さんも駆け出しの頃は年収100万円以下の貧乏暮らしにあえいでいたそうだ。一発あててもすぐ忘れ去られるタレントは数知れず、病気をしても会社が面倒を見てくれるわけでもない。
▼その代わり、成功すればサラリーマンの生涯賃金をあっという間に稼げる。一昔前までは、スターになると親のために立派な家を建てるのが当たり前だった。彼の所属する吉本興業は新人育成に熱心だが、親孝行の大切さをまずたたき込んではどうか。
▼笑えない「河本劇場」の一幕だったが、唯一の救いは、約210万人にものぼる生活保護受給者の認定が、いかに杜撰(ずさん)かが知れ渡ったことだろう。親族に仕送り能力があっても、あるいは本人が十分働けるのに保護費をもらっている人はかなり多いはずだ。
▼「多いはずだ」と書いたのは、強制力のある実態調査が、現行の法律ではできないからだ。年4兆円近くも税金を使う一大事業にしては杜撰すぎる。
▼いますぐ法律を改正し、不正受給者の根絶に乗り出さなくては、本来助けるべき人に十分なおカネが行き渡らなくなる。なんでも先送りで、数ある法律の中で最も大事な憲法についてさえ「党としてまとまった意見がない」民主党には荷が重い仕事かもしれないが。
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親孝行と日本人としての矜持・・・
教育の問題なのか・・・
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