『現場重視ではなく現場を直視する』奥正之(三井住友フィナンシャルグループ会長)
1.商売の基本は「共有」にあります。何を共有するかというと、まずは「経済理念」であり、経営のノウハウといった「知識」や、顧客・市場の「情報」、そして皆が協働した結果としての「利益」です。組織に壁を作らず、会社が一体となって顧客に価値を提供し、顧客も会社も共に発展すること、この点が重要です。一個人や一部門だけで情報や知識を抱え込んでいても、グローバル化と多様化が進んだ世界では顧客の価値につながらないのです。
2.組織はどうしても自己増殖を始めます。その結果、部門にとっては最適でも全体のためにならないという現象が起こるのです。いわゆる「部分最適、全体不適合の罠」に陥らないためには、トップ自らの目によるチェックが常に必要です。ある支店を訪れた際に、窓口で働いていた女性社員から「本社に問い合わせの電話をしても、様々な部署をたらい回しにされる。私たちの後ろにはお客様がいるのですよ」という鋭い指摘を受けました。幹部社員に聞くだけでは分からなかった話です。
3.「現場重視」という言葉がありますが、それでは足りません。組織間の壁を作らないためには、まさに「現場直視」が重要なのです。
(参考:「日経ビジネス」2011年10月3日号)
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