【書評】『ぼくらの祖国』(青山繁晴著)
■「日本には資源がない」はウソ
好きな作家の書き下ろした原稿を最初に読める…これはまさに編集者の役得のひとつだ。
本書の編集作業に携わっているとき、届きたての原稿を読み、目頭が熱くなることが複数回あった。
「祖国」や子々孫々のために私益を捨て、そして文字通り命を投げ出していった先人たち。東日本大震災と福島原子力災害に対処した人たち。その方々の心のうちを想(おも)わせ、読者の心を揺さぶる著者の筆力には特筆すべきものがある。
しかし、担当編集として本書について強調したいのは「手にとる希望の章」で描かれている、資源エネルギー問題に関する驚愕(きょうがく)の事実だ。
先の大戦の原因のひとつが資源エネルギー問題であるのは周知のことだ。また、原発推進の理由のひとつにも資源エネルギー問題がある。
ここで考えてみてほしい。われわれは刷りこまれていないだろうか? 「日本には資源がない」と。これがまったくのウソであることが、この章では明らかにされている。また、ウソを暴露されては困ると、既得権益を守るために暗躍する連中のことも。
資源に関する刷りこみはひとつの例にすぎない。「いま」を生かしていただいているわれわれは、そろそろ覚醒すべきである。そして、わが国の主人公たるわれわれこそが、先人たちから引き継いだ「祖国」を、正しい方向に導くべきなのだ。
本書はきっとその道標になると、自信を持ってお薦めしたい。(扶桑社・1680円)
扶桑社 カスタム出版 田中亨
(産経ニュース2012.1.21)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%BC%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%AE%E7%A5%96%E5%9B%BD-%E9%9D%92%E5%B1%B1-%E7%B9%81%E6%99%B4/dp/4594061834
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