稲盛和夫:カンブリア宮殿300回記念
昨夜のカンブリア宮殿を観た。
“日の丸フラッグ”にあぐらをかいて頑なに変化を拒み、まさかの破綻に追い込まれたJAL。だが、そこから誰もが驚く起死回生を果たす。010年の経営破たんからわずか2年。日本航空を“スピード再生”させたのが、稲盛和夫。不可能とさえ言われたJALの再建。それを、稲盛はどのように成し遂げたのか。
最後の大仕事として、周囲の反対を押し切ってJAL再建を引き受けた稲盛。就任するや幹部と“合宿”、社員に対しては『JALフィロソフィー』で意識改革を求める一方、『部門別採算制度』でコスト改革を断行した。つまり稲盛は、京セラや第二電電創業で培ってきた経営ノウハウをJAL再建に惜しみなく投入したのである。その結果、破綻前は500億円の営業赤字だったJALは一転、2000億円という過去最高益を叩き出すまでとなった。稲盛によってJALの現場は変わり始めた。例えば整備士たちは無駄使いしないように備品に原価を書いたり、本社ではオフィススペースを半分にして社食を無くした。タクシーやハイヤーで通勤していたパイロットはバスを使うようになり、空港のカウンターも大幅に縮小した。
観ていて、決して派手さはないがまず私心がまったくないことが誰にでもわかる。小手先ではなく、人間として人のために何ができるかを問い詰める。そしてそこには妥協はない。
「素直な心で、利他に徹する」
300回記念、人間として、経営者としての「稲盛和夫」を垣間見ることができた。
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