『海外工業団地に中小企業が進出し国内を成長させる』
1.総合商社の海外工業団地事業が空前の活況に沸いている。「六重苦」を背景にした中小企業の海外進出が、それに拍車をかける。利益還流によって、国内外ともに成長を促す枠組みが欠かせない。経営基盤が弱い中小企業にとって、足元の事業環境は目に見えて悪化の一途をたどっている。活路を外に見いだした中で、まさしく「渡りに船」となったのが、商社の工業団地事業だった。
(注)「六重苦」とは円高、高水準の法人税、電力制限、行きすぎた環境対策、貿易自由化の遅れ、厳しい労働規制を指す。
2.独自の高い技術力を売り物としてきた日本の中小企業も、日本からの輸出ではなく、海外進出によるビジネスモデルの再構築を迫られている。ベトナム・ハノイで住商が開発した工業団地に入居する秋田精工(秋田県由利本庄市)は、「国内では消耗戦の波にのまれているが、海外で稼いで利益を還流させるモデルを実現できれば、国内にとってもまだ成長の道はある」と見る。
3.福井県立大学の中沢孝夫・特任教授は「海外に出て3年もすれば、利益配当や技術指導料が日本の本社にもたらされるようになる」「グローバル化による中小企業の活性化が、地域再生、さらには日本再生につながる」と訴える。
(参考:「日経ビジネス」2012年2月6日号)
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