『大手企業が研修に来る知る人ぞ知る町工場』浜野慶一(浜野製作所社長)
1.東京都墨田区。約3100の町工場がひしめく下町に、企業や行政の視察が絶えない企業がある。創業34年、金属プレス加工を手がける浜野製作所。年商5億円。社員30人の規模ながら、昨年末にはホンダが役員研修で訪れるなど、知る人ぞ知る町工場である。1日約200種類もの金属を加工し、通常なら3週間かかるものを2週間で納品するなど、多品種・短納期が売りだ。技術力にも定評がある浜野の顧客名簿には、大手企業の名前がずらりと並ぶ。
2.浜野慶一社長は20年前、29歳で創業者の父の跡を継いだ。当時の売上高は3000万円で、新規顧客の開拓に奔走したが、門前払いされる日々が続いた。営業を続けるうちに、「顧客を増やすには、安くするか、難しいものを加工するか、納期を短縮するしかない」と気づく。浜野社長は「安くするのだけは嫌だった。だが、難しい加工は社員から"できない"と言われた。残された道は短納期への挑戦しかなかった」と振り返える。だが、根性をよりどころにしたやり方はすぐに限界を迎える。「会社を土台から作り直すしかない」と着手したのが、確実に納期を守るための生産管理システムと人材の育成だった。
3.取引先が増え始めた頃、「たとえ教育に時間を要しても未経験者を中心に採用すると決めた」。即戦力の経験者よりも、浜野の目指す方向性に賛同する人材が必要だった。高い技能を持つ若手も育ち、東京都から「未来の名工」に選ばれた者もいる。
(参考:「日経ビジネス」2012年5月5日号)
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