【産経抄】8月16日
この人は、今までの大統領とは違う。そんな期待を抱いたのは、わずか4年前のことだ。「過去にこだわって未来が損なわれてはならない」。就任2カ月後に日本を訪問した韓国の李明博大統領は、歴史問題を外交に持ち込まないと宣言した。
▼「日本に謝罪、反省を求めることはない」との発言も頼もしかった。大阪生まれの経歴にも親しみを感じたと、白状しておこう。もっとも、あまり期待しない方がいい、という冷ややかな声もあった。
▼多くの歴代大統領も就任当初は、日韓関係の改善を打ち出してきた。その後、失政や権力腐敗で求心力を失うと、「反日」を切り札に人気挽回を図るのが「お家芸」だというのだ。日本非難を執拗(しつよう)に繰り返した盧武鉉前大統領はその最たる例といえる。残念ながら、今回もその通りになった。
▼「経済の再生」を打ち出して政権を奪取したというのに、繁栄を謳歌(おうか)しているのは、サムスンなど一部の大企業だけだ。最近の調査によれば、10世帯のうち6世帯が、疾病や借金、失業などの問題で危機的状況にある。加えて、大統領の実兄や側近が不正資金を受け取った容疑で逮捕されるに至って、政権への信頼は決定的に失われた。
▼李大統領が竹島に不法上陸した背景には、せめて「愛国大統領」として歴史に名を残したい、との願望があったようだ。それにしても公式の場で、天皇陛下の訪韓の条件として謝罪を要求するとは、常軌を逸した暴言というしかない。
▼「反日なら何でもあり」の隣国に、いくらおもねっても、らちが明かないことがはっきりした。正常な関係を取り戻すために、まず慰安婦問題について、根拠のない河野談話の撤回から始めたい。
(産経ニュース2012.8.16)
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