税務査察、情報交換活発化の布石に 海外舞台の事案目立つ
各国の税務当局間での情報交換自体は活発に行われている。日本は64の国・地域と租税条約を結んでおり、非居住者への利子や配当といった資産の情報については自動的に交換する仕組みとなっている。
国税庁によると、平成23年度に相互にやり取りした情報は約55万6千件に上り、大半がこの「自動的情報交換」によるものだ。
一方、査察に関しては昨年度、海外当局に情報提供を要請したのは13件。海外からの要請で調査を行ったのは5件にとどまる。
「自国に直接の課税利益が少ないケースもあり、海外からの依頼はどうしても“片手間”になりがちになる」(国税関係者)という背景もある。
だが、昨年度は、英領バージン諸島の会社との取引に仮装し、脱税資金をシンガポールで隠した事件が発覚するなど、海外を舞台にした脱税事案が目立った。
今回の合意では、直接の情報交換や同時査察が行えるのは「両国の納税者にそれぞれ嫌疑がある場合」と限定。
このため「片務性」が解消されるわけではないが、国税幹部は「(マネーロンダリング捜査など)扱う間口の広い米国の情報やノウハウを得ることもでき、メリットは大きい」と期待し、他国も含めた情報交換活発化の布石としたい考えだ。
(産経ニュース2012.8.19)
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