自利利他とバトンと一つだけの約束
仏教に『自利利他』という言葉があります。
【自】とは自分、
【他】とは他人、
【利】とは利益(りやく)、幸せのことです。
【人を幸せにすることが、
そのまま自分が幸せになる道につながる
のですよ】といわれているのです。
人を喜ばせよう、儲けさせようと努めることが、
自分が喜ぶこと、儲かることにつながるという
のが「自利利他」です。
一つの小話を通して
『自利利他』を学んでみましょう。
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舞台はテキサス州の風雪すさまじい夜。
クリスという若者が、乗っていた車が郊外で
動かなくなり、どうすることもできず、焦っていた。
そこにたまたま、一人の男が馬にまたがり通り
かかった。
クリスに気づいた男は、すぐに車を馬につなぎ、
近くの村まで引かせ、さらに車の修理まで手配した。
感激いっぱいのクリスはドル紙幣を財布から掴み
取って差し出そう
ところが男は、
「お礼なら要りません。
もらいたいのです。
今後誰か困っている人を見たら、
心からその人を助けてあげてほしいのです。」
それからクリスは多くの人を自ら進んで助けるよう
努め、しかもそのたびに男と同じことを言った。
「お礼なら要りません。
もらいたいのです…」
それから何十年の歳月が流れたある日。
すでに年老いたクリスが突然の大水で
孤島と化した場所に取り残されたことがあった。
四方を濁流に囲まれ、もう命はないと覚悟した時、
独りの勇猛な少年が果敢にも洪水の中をかき分け、
少年はクリスを安全な場所まで誘導し、何とか
危機を逃れた。
クリスは少年に厚く礼を述べた。
しかしその勇敢な少年の口から出た言葉は、
なんと自分がこれまで幾度となく人に言ってきた
あの言葉ではない
「お礼なら要りません。
してもらいたいのです。
今後誰か困っている人を見たら、
心からその人を助けてあげてほしいのです。」
クリスの心に暖かな思いが湧いた。
親切のバトンが回りまわって自分に戻ってきた
ことを知らされ、改めて自分の決意を確認すべ
く、その少年と固く約束を交わした。
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