【女性宮家】女系天皇、懸念根強く 皇室典範改正断念
「女性宮家」創設に関する政府の検討作業は、有識者の意見を論点整理として提示するだけで、皇室典範など関連法の改正を断念する結果に終わった。女性宮家創設が女系天皇を生み出す下地づくりにつながるとの懸念が根強く、それを払拭するだけの妙案を見いだせなかったからだ。
女性宮家の創設は昨年秋、宮内庁の羽毛田信吾長官(当時)が野田佳彦首相に検討を要請した。現在の皇室典範では、女性皇族がご結婚すれば皇室を離れる。若い男性の皇族が少なくなっている中、皇室の活動に支障が生じるという理由だ。首相もその「緊急性」を認め、改正への着手を約束した。
だが、「皇位継承問題とは切り離す」という検討の前提自体に無理があり、有識者ヒアリングを行っても慎重論が相次ぎ、明確な方向性を打ち出すことはできなかった。
意見集約の困難さに加えて、消費税増税法をめぐる民主党分裂で政権基盤が弱体化したことも見送りの一因となった。民主党内でも保守系を中心に女性宮家創設には反対する議員は多い。首相としても衆院での過半数割れが迫るなかで、党内の対立を激化させるような法案の取りまとめは避けたかったようだ。
さらに、先月26日の自民党総裁選で安倍晋三元首相が総裁に返り咲いたこともブレーキとして働いた。安倍氏は女性宮家創設に反対の立場で、「男系で紡いできた皇室の長い歴史と伝統の根本原理が崩れる」と慎重な議論を求めてきた。
皇室典範改正に向けた手続きを強行すれば、自民党がさらに対決姿勢を強めるのは確実だ。参院で野党が多数を占めるなか、仮に法案をまとめても成立の見通しはない。首相に残された道は棚上げしかなかった。
(産経ニュース2012.10.4)
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賢明な判断でしょう!
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