<消費税>不正還付、3年で3000件 国税庁が対策強化
消費税の還付制度を悪用した法人が虚偽申告などで不正に還付を受けていた事例が、11年6月までの3年間に全国で3007件発覚し、国税当局が75億8300万円を追徴課税していたことが、国税庁のまとめで分かった。悪質な不正還付は後を絶たず、消費増税で税率が上がれば還付額が増えることも予想され、国税庁は不正防止策の強化に乗り出している。
消費税の還付は、売上時に受け取った消費税額よりも仕入れ時に支払った消費税額が多い場合などに受けられる。この際、架空の仕入れを計上するなどして、不正に還付を受けるケースが多いという。また、国内で仕入れた商品を輸出した場合、仕入れにかかった消費税が全額還付される「輸出免税制度」を悪用する手口も目立つ。
国税庁が消費税の還付を申告した法人を調査した結果、不正が判明したのは▽08事務年度(08年7月~09年6月)が1165件、35億6800万円▽09事務年度が1012件、27億4700万円▽10事務年度が830件、12億6800万円--だった。
大阪国税局などによると、堺市の自動車輸出業者は、約4年間で計約1600台のワゴンなどを仕入れてニュージーランドへ輸出したとする虚偽の申告書を税務署に提出し、消費税約2億1000万円の還付を受けた。あるリサイクル業者は高額の機械装置をリースしたのに、購入したと装って架空の仕入れ額を計上し、約300万円の還付を受けていた。
不正還付を防ぐため国税庁は今年4月から、還付申告の際に仕入れの内訳などを書く明細書の添付を義務化し、記入項目も増やした。大阪国税局では08年7月に、不正還付が多い管内3税務署に全国初の専門部署を設置した。昨年9月には不正還付の罰則が強化され、申告段階でも処罰できる「未遂罪」が消費税法に新設されている。
国税庁は「消費税は国民の関心が極めて高い。事実関係を十分審査し、不正還付防止に努めていく」としている。
(毎日新聞2012.10.22)
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