『今も生きているヤマト運輸の車座教育』今村治輔(清水建設前会長)
1.大学卒業後、お父様が興したヤマト運輸に入社した小倉昌男さんは、オイルショックで業績が低迷したとき、一般家庭の小口荷物を集配する「宅急便」を始めようとしました。このときお父様をはじめ、周囲は猛反対をしたそうですが、それも当然でしょう。たった一個の荷物を全国どこへでも運ぶなんて、手間ばかりで儲からないと考えるのが普通です。抜群の実行力と計画性をあわせもつ小倉昌男さんでなければ、ここまでの成功はなかったのではないでしょうか。
2.まずは各地に営業所を作るところから始めなければなりません。小倉昌男さんは自ら日本中を回り、夜はドライバーたちと車座になって酒をくみかわしながら仕事に対する姿勢を説き、一緒に風呂に入って、そのまま営業所に泊まったそうです。その積み重ねでサービス網を築いていったのです。
3.働く人を大切にする人でしたが、不正には厳しかった。荷崩れして転がり落ちたミカン一個を、ドライバーが軽い気持ちで食べたとき、即座に解雇したのは有名な話です。街頭でヤマト便のドライバーがすがすがしく働く姿を見るたびに、小倉昌男さんの車座教育は生きていると感じます。
(参考:「文藝春秋」2013年新年特別号)
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