『将としてカギになるのは「オーナーシップ」』古森重隆(富士フィルムホールディングス会長)
1.将として、1つのカギになるのは「オーナーシップ」だと思います。いかなる時も会社や組織の問題を我が事として考えることができるか。それをバネとして創意工夫し、難問を解決し、自分を鍛えていくことができるか。それが、リーダーとしての成長スピードの大きな差を与える。私は20代の頃はそういう社員ではありませんでした。会社員として一生働いていくかどうか、覚悟が決まっていなかったからです。ただ、いくつかの出来事を通じて、会社に対するオーナーシップが芽生えました。
2.1つは、入社3年目に「フジタック」というフィルムベースを扱う部署の営業に異動になったことです。ところが、昭和40年不況の際に、この事業の撤退話が浮上しました。この時、私は神に試されていると感じ「何とか売り上げを伸ばすので待ってくれ」と上司に訴えました。ここで踏ん張らないと、この事業はなくなってしまう。この事業を残せなければ、私は会社にとって役に立つ人間でないということだ。いわば、富士フィルムにおける私の試金石だと思いました。
3.さらに、6年目のある新任課長との出会いが転機になりました。彼は、あるグループのリーダーに抜擢してくれました。会社が私に責任を与えるのであれば、会社に報いよう、会社のために全力で生きよう。この時、ようやく会社に対する強い忠誠心が芽生え、オーナーシップに目覚めました。
(参考:「日経ビジネス」2013年3月25日号)
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