『後継者づくり・稼げる仕事をもたらす「道の駅」(その2)』
1.福岡県宗像市の道の駅「むなかた」の売りは鮮魚である。2008年4月に静かな漁港近くで開業した同駅は、今や福岡と北九州という大都市から消費者を引き寄せる人気スポッ
トとなっている。 2013年3月期は売上高16億3000万円を見 込む。開業以来、売り上げは右肩上がりで、九州トップクラスの規模を誇る。その成功は地元漁師らに恩恵をもたらしている。
2.道の駅に出品する生産者600人のうち32人が、「むなかた」向けだけで年間1000万円以上を稼ぐようになった。5000万円以上という人もいる。「道の駅」がなければ存在していなかった収入だ。この地域では都会に働きに出ていた漁師の子供らが後を継ぐため戻るケースも増えたという。漁業が安定的に稼げる仕事になったからだ。以前は市場や企業に買い叩かれていた「弱者」である第1次産業従事者が道の駅で生計を得た。
3.「むなかた」は今後、加工品製造のための工場を建てる。道の駅は地方に産業まで生み出しているのだ。道の駅「どまんなかたぬま」(栃木県佐野市)に野菜を作る石崎文雄は、「市場で売っていた頃は誰がどんなふうに買っていくのか分からなかった。道の駅で売るようになって、お客さんとの接点も生まれ、周辺の食品スーパーを意識して珍しい品目を手がけるようになった」と話す。生産者にマーケティング視点をもたらした。
(参考:日経ビジネス」2013年4月22日号)
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