サザン話題のCM曲『栄光の男』が生まれたワケ。桑田佳祐が見た“長嶋茂雄の引退”。
8月9日に『35周年スペシャル 復活!サザンオールスターズの流儀』(NHK総合テレビ)が放送された。その中のインタビューで、新曲『栄光の男』について語り始めたのはドラムスの松田弘だった。宮崎出身の彼は、子どもの頃から読売ジャイアンツのキャンプを見に行ってはサインをもらっていたという。
その頃から巨人軍を応援してきた彼は、「僕のラッキーナンバーは“3”」と言い切るほどの長嶋茂雄ファンなのだ。今年の5月5日に行われた長嶋茂雄終身名誉監督と松井秀喜氏の国民栄誉賞授与式を見た彼の気持ちを汲み取ったのが、桑田佳祐である。そして、その桑田にも長嶋選手が巨人軍を引退した時の思い出があった。
青山学院大学に入学した桑田は、彼女を作って楽しいキャンパスライフを送る気満々だったという。ところが「モテるだろうと期待したけど、あまりモテなかった」、「夏が過ぎて秋が来てもモテる気配が無い」と彼は当時を振り返る。
モヤモヤとした気持ちでぶらついていた桑田は、ふと喫茶店に入った。その時、店のテレビに映ったのが長嶋茂雄選手の巨人軍引退試合だったのだ。引退セレモニーのスピーチ、「我が巨人軍は永久に不滅です!」はあまりにも有名だ。
その場面を見ていると、桑田の中に溜まっていたものがこみあげてきた。「こんなはずじゃあ無かった」、「俺の人生なんなんだろう」、「夢のような世界が広がるはずが、本当に冷たい風が吹くばかり」といろいろなことを考えていると、「涙がこぼれて、人目をはばからずに泣いていた」という。
桑田佳祐はそう明かすと、「それで、改めてスイッチが入った時代だった」、「そこから音楽に行ったし、サザンのメンバーとも出会った」と語った。松田弘と桑田佳祐の“長嶋茂雄”へのそれぞれの思いが重なって、『栄光の男』が生まれたのである。
(マイナビニュース2013.814)
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