【書評】『日本が戦ってくれて感謝しています』(井上和彦著)
□『日本が戦ってくれて感謝しています アジアが賞賛する日本とあの戦争』
■「反日」は中国・韓国だけだ
「韓国はなぜ反日なのか」
日本人からよく聞かれる。
台湾も韓国と同様に日本統治時代があったが親日だ。極端なかの国の反応が日本人には理解できないのだろう。
韓国の反日はエスカレートを極め、旭日旗を全面使用禁止にする法律を作る動きまであるという。しかし、本書に登場する台湾を含むアジアの“声”を聞けば、いかにそれが異例、異常かがわかる。
著者はインド、マレーシア、フィリピン、パラオ、台湾を歩きながら各国と日本との歴史、現地の声を伝える。
パラオでは、ペリリュー戦60周年の式典で日の丸を手に地元学生が行進。日本軍の敢闘を讃(たた)える「ペリリュー島の桜を讃える歌」が作られ、歌い継がれている。
インド国民軍は、共に英国軍と戦った日本陸軍将兵に感謝状を贈っている。「インドを解放するために戦った戦友として」「深甚なる敬意」を表し、「恩義を末代まで決して忘れない」という。
フィリピンの慰霊式典ではどこまでも途切れることのない日の丸を振る行列。マレーシアの近代史研究家は上陸してきた日本軍に感銘を受け、「我々(われわれ)が学んだのは日本人の規律の良さ」「それを見た我々も独立の意欲が沸きました」と讃えるのである。
そして我(わ)が祖国・台湾で著者を案内したのは、司馬遼太郎著『台湾紀行』に登場する“老台北”蔡焜燦(さい・こんさん)氏。蔡氏を紹介したのは私だが、なぜ台湾はこれほどまでに親日かを見事に繙(ひもと)いている。
アジア諸国は親日で、日本に感謝しているのだ。しかし、“自虐史観”から「嫌われる理由がある」と思い込んだ日本は、中韓の顔色ばかり窺(うかが)ってきた。台湾はずっと日本に片想(かたおも)いだったのである。
日本は隣国こそが少数派で、日本を好きな国はたくさんあると知るべきだ。本書はまさにその証拠である。中国と韓国だけがアジアではない。
本書に書かれた事実を知ることこそ、日本が自信と誇りを取り戻す鍵となる。それは安倍政権が掲げる「戦後レジームからの脱却」という大転換の出発点でもある。(井上和彦著/産経新聞出版・1365円)
評・金美齢(評論家)
(産経ニュース2013.10.6)
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