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2014年2月 7日 (金)

【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】現実に目つむる「朝日」

 「朝日新聞」の安倍政権批判ほど観念論にまみれたものはない。安倍政権が実現を目指す政策の中に彼らが見ているものは、現実の上にイデオロギーを重ねた幻想ではないだろうか。朝日の主張が他紙のそれと比べて突出して、観念論に埋没しているのは幻想の中で重ねた思考の、必然の結果であろうか。

 1月22日、スイスのダボスで安倍晋三首相が各国の主要メディアとの会合で語った内容の報道も然(しか)りである。25日朝刊で朝日は「首相の発言 瞬時に拡散」「日中関係 第1次大戦前の英独になぞらえ」と見出しをつけた。2面の、約3分の2を占める大型記事では首相が「現在の日中関係を第1次大戦前の英独関係になぞらえた」と報じた。

 これはフィナンシャル・タイムズ(FT)の解説委員が「尖閣諸島を巡り、日中の武力衝突はありうるか」と尋ねたのに、首相が答えたくだりに関する記事だ。

 同じニュースを「読売新聞」は全く異なる形で伝えた。実際には首相は「日中間で軍事衝突が起きれば、両国にとって大変なダメージになる」と前置きし、「英国とドイツは戦争前に貿易で相互に関係が深かった。日本と中国も今、非常に経済的な結びつきが強い。だからこそ、そうならないよう事態をコントロールすることが大事だ」と語ったと伝え、「FT紙の突出した反応が騒ぎを広げている面は否めない」と指摘した。

 「日本経済新聞」もFTの反応を伝えたが、首相発言が「誤解されて報じられた」と事実関係を明記している。

 首相の真意をくみとれなかったFTは「最も動揺させられたのは、安倍首相が日中の武力衝突の可能性を完全に否定しなかったことだ」などと報じた。

 日本政府の反論からもFTの批判が誤解から生じたのは明らかだったが、「朝日」はFTを引用し、大きく報じた。恰(あたか)も首相の真意よりも、FTの誤解報道のほうが大事といわんばかりで、日本政府関係者の「これで中国との接触がまた難しくなった」という「ため息」まじりの首相への恨み節まで掲載した。

 朝日は、「そもそも海外メディアが、首相を『タカ派』と取り上げるケースも少なくなく、安倍政権の安全保障政策に携わる有識者の一人は『本当に問題だ。靖国参拝に続くミスだ』と強い懸念を示」したとも強調する。

 だが、「タカ派」は中国共産党と習近平国家主席ではないのか。彼らの飽くなき軍拡と南シナ海、東シナ海での現実の行動を見れば、「本当に問題」なのは中国ではないのか。「朝日」はなぜ、現実を現実のとおりに見ないのか。

 朝日は海外メディアが首相をタカ派と捉えていると、首相に批判の鉾先(ほこさき)を向けるが、そのイメージは朝日主導で形成されたのではないのか。

 先に成立した特定秘密保護法について、昨年8月から今年1月末までに、「朝日」は反対の社説を26本、「天声人語」子は10本のコラムを書いた。だが内容は次のように、ほとんど的外れである。

 「米軍基地や原子力発電所などにかかわる情報を得ようとだれかと話し合っただけでも、一般市民が処罰されかねない」(2013年11月8日、社説)

 「ふつうの市民の暮らしをめぐる調査活動も違法となりかねない。法案そのものが社会を萎縮させてしまう」(同月6日、社説)

 天声人語子が社説に輪をかけてあおる。

 「秘密法に、暗がりからじっと見られているような社会はごめん被りたい」(12月11日)

 「戦前の日本に逆戻りすることはないか。心配が杞憂(きゆう)に終わる保証はない」「安倍政権の野望が成就すれば、平和国家という戦後体制(レジーム)は終わる」(8日)

 日本と多くの価値観を共有する欧米諸国も有する情報機密法を日本が持ったからといって、どうして日本が「戦前に逆戻り」し、「平和国家」としての在り方が終わるのか。噴飯ものである。

 そして、2月2日、「天声人語」は、首相の「靖国参拝は信念による行動だったとしても、結果はどうか」と問うた。「政治は結果に対して責任を持つべし」というマックス・ウェーバーの言葉を念頭に置いた、朝日人子が好んで用いる「責任倫理」の考え方である。

 すべて靖国神社を参拝した首相が悪いというわけだが、それなら朝日に問うてみたい。いわゆる「A級戦犯」の合祀(ごうし)後、歴代首相が21回も靖国神社を参拝し、その間、中国も韓国も日本と比較的良好な関係を保っていたことを、どう考えるのか、と。中国は1985年9月、明らかに国内の政治的要因ゆえに豹変(ひょうへん)したが、中国共産党のこの変化の責任までも日本が負うべきと、朝日は言うのだろうか。また、一体、どこを起点に日中関係悪化を分析するのか。

 安倍政権の憲法改正への志、集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法制定そして靖国参拝などを非難し続ける「朝日」は、軍拡に血道を上げる中国の脅威をどう捉えているのか、明らかにしてほしいものだ。

 そうした考察を含まない「朝日」の観念論は、読者の判断を誤らしめ、結果として日本の進路をも誤らしめる。いま日本にとって大事なことは、日本が自力で国民、国家を守れる国を目指し、同時に日米同盟を確かなものとすることだ。そのために、何よりも「朝日」が否定する事柄をやり遂げること、安倍首相が揺るがずに前進し続けることが大事である。

(産経ニュース2013.2.3)

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