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2015年2月28日 (土)

【産経抄】2月28日

 きょうの新聞をご覧になった読者のみなさんの中には、何かが欠けている、と感じられた方も多いのではなかろうか。川崎市中1殺害事件の容疑者名が、どの新聞にも載っていない。

▼テレビ、ラジオもしかり。しかも報道各社が、申し合わせて自主規制した結果でもない。逮捕された3人がいずれも17~18歳の未成年で、少年法で保護されているからだ。

▼少年法61条は、未成年者が訴追された場合、「氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない」と規定している。容疑者が訴追される以前も禁止されているかどうかは諸説あるものの、各社とも捜査段階から名前や写真の掲載を控えている。

▼にもかかわらず、インターネット上には早くから容疑者とおぼしき人物の実名と写真、さらに、真偽不明のウワサさえ出回っている。しかも必ずしも違法と言いきれない。少年法が掲載を禁止しているのは「新聞紙その他の出版物」のみ。法律ができた終戦直後には、ネットというメディアは想像さえできなかったからだ。

▼13歳の被害者は、名前と写真はもちろん、テレビは殴られた後の写真まで放送しており、加害者のプライバシーだけ守る法律は公平性を欠く。そもそも選挙の投票権を18歳以上に引き下げようというのに、20歳未満が少年という規定自体が時代遅れである。

▼連合国軍総司令部(GHQ)主導で、少年法がいまの形になった前年には、これまたGHQ主導で新憲法が施行された。占領期に急ごしらえでつくった法体系は、明らかに揺らぎ、軋(きし)んでいる。今すぐ補強し、建て替えないと国全体が倒壊してしまう。

(産経ニュース2015.2.28)

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