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多くの人を魅了してやまない司馬さんの歴史小説。しかしそこには戦後の日本人を縛ってきた「東京裁判史観」が隠れてはいないだろうか。昭和史をどうとらえるか司馬史観の徹底検証。
<内容・目次>第1章 東京裁判に呪縛されていた「司馬史観」の軌跡(司馬さんと東京裁判史観。一見何の関係もないように見えるが、深部でつながっていた)。第2章 司馬さんの作品にみる「司馬史観」の萌芽と形成(『竜馬がゆく』『坂の上の雲』『翔ぶが如く』にみる司馬史観の功罪)。第3章 「司馬史観」と戦後日本の閉ざされた言語空間(戦前は暗黒の時代という史観はまさに司馬史観と東京裁判史観で共通している考え方である)。第4章 欧米の識者たちは戦前の日本の立場をどのように見ていたのか(戦前の日本の行動にきちんと理解を示した欧米の知識人やジャーナリストがいた)。第5章 対談・司馬遼太郎さんという戦後(気鋭のジャーナリスト東谷暁氏による著者インタビュー)。今なお好評な前著『「坂の上の雲」に隠された歴史の真実』を凌駕する、全く新しい歴史観の提唱。司馬遼太郎さんのファン必読の書。
「松岡外交が太平洋戦争の引き金を引いた元凶だ! 」というのが、昭和史を読む上での“お約束"の理解であった。だが、事実を調べていくと安易にその理解に従っては間違えるのではないかという疑いが出てくる。本書は、従来から、「松岡外交」の真意を探ってきた著者が、満を持して書下ろした、定説への挑戦状である。松岡洋右は、「自分の最大目的は、日米戦争を避けることにある」と常に言っていた。その言葉の裏に、日独伊三国同盟、日ソ中立条約、日米了解案反対など、松岡の害悪と言われている歴史事実の真相が浮かび上がってくる。内閣の中で浮き上がり、昭和天皇にも不快の念をもたれたなど、評価が散々の松岡洋右だが、東京裁判の初期に死亡したことにより、「罪を一身に背負わされた」観も強い。松岡を、外交家としての大構想と大戦略を持っていた人物とする著者の、「歴史への反対弁論」が熱く展開される一冊である。
韓国併合に反対だった伊藤博文の苦悩とは?
“井沢史観”で歴史を斬る日本史ノンフィクション第27弾。「大日本帝国」が確立した明治後半期について考察する。
比較的成功を収めた台湾統治に対し、大きな失敗に終わった韓国併合はなぜ強行されたのか? そこには「韓国併合の元凶」とされ、今なお韓国民に憎まれる伊藤博文はじつは当初併合に反対していたこと。韓国側から併合を推進し、現在も「売国奴」と罵倒される李完用や李容九こそ真の愛国者であったこと。そして“義士”と讃えられる暗殺者・安重根は、皮肉にも自分ともっとも近い考え方を持っていた伊藤を殺してしまったこと、といった埋もれた歴史の「真相」が見えてくる。
一方、「中国革命の父」と呼ばれ、その後大日本帝国の「好敵手」となる中華民国を建国した孫文。彼は、どうして辛亥革命を成功に導くことができたのか? その裏に知られざる日本人たちの大きなサポートがあったことはあまり知られていない。
そして、「大日本帝国のターニングポイント」とも言うべき「大逆事件」の本質とは何か? 昭和20年の帝国滅亡は、この時からカウントダウンが始まっていたのである。
乾坤一擲の大勝負に賭けた日本の「秘策」!
『週刊ポスト』誌上で四半世紀以上にわたって連載中の、作家・井沢元彦氏による歴史ノンフィクションの金字塔『逆説の日本史』。
文庫最新刊となる第26巻では、東洋の小国に過ぎなかった大日本帝国が、世界最強の陸軍とバルチック艦隊を擁する超大国ロシアに勝利し世界を驚かせた、日露戦争を軸に解説する。
日本海海戦において、東郷平八郎率いる聯合艦隊が「丁字戦法」を用いて奇跡の勝利を挙げた、という「神話」は事実なのか? 二〇三高地攻略で多くの将兵を死なせた乃木希典は、果たして「愚将」だったのか?――これまで語られてきた日露戦争における「定説」を丹念に検証していくことで、隠されていた真実を暴き出す。
また、井沢氏が「大日本帝国破滅への分岐点」であったと断言する「日比谷焼打事件」、エリート軍医と作家・考証学者といくつもの顔を持っていた森林太郎(鴎外)の功罪についても考察。知られざる日本近代史の闇に迫る。
なお、巻末には「特別編」も収録。「言霊」という迷信に振り回され続ける頑迷固陋な歴史学界と、朝日新聞に代表される傲慢なマスコミを舌鋒鋭く糾弾する。
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