1947年夏、占領軍に骨抜きにされた焦土で
日本を引っ繰り返そうとした男たちがいた――
高度成長期に頭角を現し“今太閤”と呼ばれる政治家・千石宗平。高等小学校卒で叩き上げの彼を秘書として支える元警視庁刑事・神野晋作。2人は歴史から葬り去られた“ある過去”を共有していた。
原爆で家族を失った元特攻隊員・来栖龍二、悲劇のレイテ島から生還した天才狙撃手・黒木斗吾とともに計画された“皇居前某重大事件”の全貌、そして彼らが狙う“ターゲットC”とは――。終戦直後と高度成長期の「2つの東京」を舞台に、男たちが挑んだ「日本復活計画」を描き出す。
日本推理作家協会賞候補作『帝の毒薬』で帝銀事件の真相に迫った著者が、ふたたび戦後史の闇を描く、〈戦後史×サスペンス〉の書き下ろし大作。
最大の武器は知力と色気、そして暴力!
特攻隊員、愚連隊、安藤組組長、映画俳優……
ハジキか女を抱いて寝るような、その破天荒な生き様をモノローグで描ききる圧巻のノンフィクションノベル!
あんた『雪後の松』という詩を知っているかい。昔、ある坊主から教わったんだ。『雪後に始めて知る松柏の操、事難くしてまさに見る丈夫の心』とな。男というのは普段の見かけがどうだろうと、いざと言う時に真価がわかるものだ。松の木は花も咲かず暑い真夏にはどうと言って見所のない木だが、雪の積もる真冬には枝を折るほどの雪が積もっても、それに耐え、青い葉を保っている。それが本物の男の姿だというのだ。/俺はこの詩が好きなんだ。 (「長い後書き」より)
若くして特攻隊に志願した時、人生は終わったと覚悟した。
終戦を迎えて生き残った時、残りの人生は余禄だと思った。
頬を切られた時、一生をヤクザで終わると腹を決めた。
昭和の一時代を修羅に生きた男の激動の生涯‼
内容紹介
【シリーズ累計22万部突破、第二弾!】のべ4000人の元軍人らに取材を重ねてきた保阪正康氏が、昭和を代表する人物のエピソードを通じて昭和の闇=語られざる真実を語るシリーズ第二弾。本書では、三島由紀夫・近衛文麿・橘孝三郎・野村吉三郎・田中角栄・伊藤昌哉・後藤田正晴を取り上げる。
「これまでの私の取材を通して知り得たことは、確かに歴史の検証に必要な史実から、指導者の人間的エピソードに至るまで数多い。それらを歴史書として現すのではなく、人間学という枠内での書として刊行したいと私は考えるようになった。この系譜にある前著『昭和の怪物 七つの謎』(講談社現代新書)は、予想外の多くの人びとに手にとってもらい、これほどまでに昭和史の人間学が興味を持たれるのかと驚きを持った。歴史をもっと生身の人間の姿を反映したものとして表現したいという考えが受け入れられたようで、私には感慨ひとしおであった。
本書はこのシリーズの二冊目になる。(中略)私は古いノートをとり出しては、かつて聞いた歴史上の人物たちの証言が今はどのように受け止められるかを考えてみたかった。言うまでもなく、彼らの人物像を通して、日本の近現代史の流れを確認したかったのである。」(本書あとがきより)
【本書の構成】
第一章 三島由紀夫は「自裁死」で何を訴えたのか
第二章 近衛文麿はなぜGHQに切り捨てられたのか
第三章 「農本主義者」橘孝三郎はなぜ五・一五事件に参加したのか
第四章 野村吉三郎は「真珠湾騙し討ち」の犯人だったのか
第五章 田中角栄は「自覚せざる社会主義者」だったのか
第六章 伊藤昌哉はなぜ「角栄嫌い」だったのか
第七章 後藤田正晴は「護憲」に何を託したのか
内容(「BOOK」データベースより)
三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴。7人の“怪物”は「戦争」「昭和」をどう生きたか。知られざる「昭和の真実」その謎が明らかになる。
私の使命は、昭和前期から無謀な戦争に突入し、悲惨な敗戦を迎えるまでの記録と教訓を、次世代に繋げることだと考えている、と筆者は言う。これまで40年以上にわたる近現代史研究で、のべ4000人から貴重な証言を得てきた。本書でも紹介する東條英機夫人。秘書官・赤松貞夫。石原莞爾の秘書・髙木清寿。東條暗殺計画の首謀者・牛島辰熊。2・26事件で惨殺された陸軍教育総監・渡辺錠太郎の娘、和子。犬養毅首相の孫娘、道子。瀬島龍三本人。吉田茂の娘、麻生和子などなど。その証言と発掘した史料により筆者は多くの評伝を書いてきたが、そこに盛り込めなかった史実からあらためて「昭和の闇」を振り返る。とくにこれまで一冊にまとめられていなかった石原莞爾については、はじめての原稿となる(初出は「サンデー毎日」)。
昭和史研究の第一人者が出会った「戦争の目撃者たち」。東條英機、石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂が残した「歴史の闇」に迫る。
正念場のヤマト、試される小倉イズム
小倉昌男の後を継いだ歴代経営者が語った
守るべきもの、変えてゆくもの――
インターネット通販の拡大による荷物の急増によって、宅配便業界が大きく揺れています。
特に宅配便最大手のヤマト運輸は、労働環境の悪化や人件費の高騰、
人手不足などが社会的な問題となって、2017年春、注目を集めました。
セールスドライバーなど現場の悲鳴を受け、
ヤマト運輸は本格的な「働き方改革」に乗り出しています。
宅急便の生みの親にして、戦後の名経営者・小倉昌男氏は、素晴らしい経営哲学を遺しました。
「サービスが先、利益は後」「顧客第一」「全員経営」…。
正念場を迎えた今、改めてこの「小倉イズム」が問われています。
本書は小倉氏が経営の表舞台から去った時点から物語が始まります。
小倉氏以降、ヤマトグループを支えてきた歴代経営者たちは、中興の祖の遺した言葉を、
どのように咀嚼し、自身の経営に生かし、次の世代にバトンタッチしてきたのか。
歴代経営者が小倉氏から受けた薫陶は何か。
"ポスト小倉昌男"の経営者5人の言葉をまとめた、初めての経営書となります。
小倉氏は経営者としての半生をまとめた著書『小倉昌男 経営学』(日経BP社)を遺しました。
続く経営者たちは、ここに刻まれた言葉を繰り返し反芻し、自身の経営に取り入れてきました。
彼らの迷いと決断をまとめた本書は、「小倉イズム」の実践編とも位置付けることができるはずです。
最終章では、現在、大きな社会問題となっているセールスドライバーの長時間労働や
人手不足について、ヤマト運輸社長の長尾氏が思いを打ち明けました。
小倉氏が経営から去り、20年以上の歳月が過ぎ、ヤマトグループを取り巻く経営環境は
大きく様変わりしています。守るべきものと、変えてゆくもの――。
5人の経営者は、どのような決断を下してきたのでしょうか。
≪登場するヤマトホールディングスの歴代経営者≫
ヤマトホールディングス特別顧問 有富慶二氏
ヤマトホールディングス相談役 瀬戸 薫氏
ヤマトホールディングス会長 木川 眞氏
ヤマトホールディングス社長 山内 雅喜氏
ヤマト運輸社長 長尾 裕氏
≪主な内容≫
1章 カリスマ経営者の背中
2章 イノベーションは社長が起こす
3章 実践 「サービスが先、利益は後」
4章 「人の和」で組織を動かす
5章 第3のイノベーションを起こす
6章 危機時に見せた「ヤマトは我なり」
7章 やる気を引き出す360度評価
8章 「あるべき姿」求めて規制と闘う
9章 強いリーダーシップで「全員経営」
10章 正念場 その先のヤマトグループへ
歴代経営者5人が明かした守るべきもの、変えてゆくもの。ヤマト、正念場!試される小倉イズム。
幼少期から父の死に至るまでの四十七年間もの間、深い絆で結ばれてきた父と娘。昭和から平成という激動の時代をともに歩んできた著者が、研ぎ澄まされた感性とクリアな視点を通し、時にユーモアを交えながら活写する田中角栄氏の実像。次の世代に向けた究極の“田中角栄"本である。
娘は父から何を学び、父をどう支えてきたのか。そして今、何を次代に伝えようとしているのか。名宰相・田中角栄を傍らで見つめてきた真実が著者自身の筆で記されている。
娘から見た、政治家・田中角栄氏とは? 真紀子氏の足跡をたどりつつ、今、初めて明らかにされる実像!
著者が父とともに歩んだ四十七年間の濃密な日々を研ぎ澄まされた感性とクリアな視点で
ユーモアを交えて活写した究極の"田中角栄像"
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