勝負哲学(岡田武史、羽生善治共著)
何が勝敗を分かつのか。いかに精神を高めるのか。
戦いへの挑み方、勝つことへの流儀を熱戦対論。
熾烈な勝負の世界で勝つこと、そして勝ち続けること。
身を斬り、骨を削るような厳しさにさらされながら、勝負の綾や不条理、怖さを知り尽くしてもなお勝負に挑みつづける勝負師たち。彼らが見ている世界、そして戦いに挑む流儀とはどんなものか。
日本のサッカーを世界のベスト16まで導いたサッカー界きっての勝負師・岡田武史氏と、稀代の天才棋士と呼ばれる羽生善治氏。
サッカーと将棋、それぞれの戦いにおける、勝負勘の研ぎ澄ませ方、勝負どころでの集中力の高め方、そしてメンタルの鍛え方――それらをぶつけ合っていただいた熱戦対論。
勝負の世界にのめりこみ、そこで勝ち抜く一流の勝負師たちの話は読み応え十分。でも、そもそも勝負哲学は一流の勝負師たちだけのものではないはず。勝負の世界に身を置く方だけでなく、一般ビジネスマンや主婦、学生など、誰しもにとって訪れる「ここが勝負どころ!」においてヒントとなる珠玉の言葉が満載です。
目次
1章 勝負勘を研ぎ澄ます
論理を超えるもの、直感を支えるもの/勝負どころを読む力/全体を客観視できる「広い目」をもて
2章 何が勝者と敗者を分けるのか
リスクテイクをためらうな/打たれ強さを養う/「勝てる人間」を育てる
3章 理想の勝利を追い求めて
集中力の深度を増す/闘争心を制御せよ/戦いに美学を求める etc
【本文より】
――じつは妄想の中では、ベスト4までの筋書きがちゃんと描かれていたんですよ。(岡田)
――おもしろいのは、将棋には、後でミスしたほうが不利になるという法則があることです。(羽生)
――決断というのは足し算ではないね。逆ですね。余分なものをそぎ落とす作業です。(岡田)
――リスクテイクをためらったり、怖がったりしていると、ちょっとずつですが、確実に弱くなっていってしまうんですね。(羽生)
――実際には、勝負を分ける要因の八割方はもっと小さなことなんですよ。(岡田)
――絶体絶命のときとか大ピンチというときには、人間は意外に正しい判断をするものだからです。(羽生)
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